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職務経歴書の書き方をプロが直接指南します。さてさて今回の相談者のお悩みは・・・・・・ |
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目下の悩みは、これまでのキャリアが中途半端だということです。編集記者としても、広報としても、事務としてもいまいち自信をもってアピールできないというか……。 |
そうですか? 広報などは7年とかなり長いですし、職務経歴書を拝見しても広範囲の職務を経験されているようですが。現在転職活動中とのことですが、広報職の求人などには応募しているんですか? |
はい。何社か人材バンクに面談に行きました。しかし、最近の広報はIRの経験が求められているとのことなのですが、私はIRの経験がないので、あなたに紹介できる求人はないって言われちゃって……。 |
確かにIRは今ニーズが高まっていますからね。だけど、そもそも企業側が求めるスペックは高すぎるので、その条件をすべて満たす人なんていなくて当たり前なのです。だから気にすることはありません。これまで経験してきたことをきちんと棚卸して整理すれば、安達さんにぴったり当てはまる求人は必ずあるはずです。 |
そうですか? そういってもらえると自信が沸いてきました。 |
例えば広報資料を制作していた経験や、予備校を回って営業していた経験、商品説明会のスピーカーをしていた経験などはかなり大きな武器になると思います。そこは自信をもっていい。広報としてあなたを必要としている会社は必ずあるはずです。あとは出会いや縁、マッチングの問題だけだと思いますよ。 ただし、これまで経験してきた職務や身につけた能力、仕事の実績などを、職務経歴書で効果的にアピールする必要があります。採用担当者は日々膨大な応募書類に目を通さなければならないので、時系列でだらだらと書かれた職務経歴書では読み飛ばされてしまう危険性が高いからです。 |
まさに私の職務経歴書などはスルーされそうですね。 |
時系列で書くと、「できること」じゃなくて、「やってきた」ことしかわからない職務経歴書になりがちです。ここは重要なポイントで、「できること」と「やってきたこと」は違うんです。単に「やってきたこと」という事実を述べるだけでは意味がなくて、それを通して「どういう能力を身につけて、何ができるのか」という能力に焦点を当てて書くのが重要なのです。 |
なるほど……。その視点はなかったですね。 |
それが一枚でひとめでわかるように書けると、採用担当者も「この人いいかも」と目を留めてじっくり読んでくれる可能性が高まるのです。だから職務領域・職務内容ごとに職務経歴書を作り直しましょう。表組みにして2つに分けて、左の列は職務領域、右の列は職務内容とします。職務領域欄にはこれまで経験してきた業務と経験年数、職務内容欄には仕事内容、実績を書きます。さらに今回はもう一列「私のできること」という欄を設けて、そこに身につけたスキル・能力を書きます。これは応募会社に「こんな能力で御社に貢献できますよ」ということをアピールするためです。 |
3社目のメーカーでの事務職の経験はどう書けばいいでしょう? たった4カ月で辞めているし、これといったスキルも身に付かなかったのですが…・・・。 |
だったら経験職務の欄には書かなくていいですよ。 |
え? 書かなくていいんですか? |
職務経歴書は、これまでの経験を通して自分はこういうことができます、自分の強みはこれです、だから御社に貢献できますということをアピールする、自分を売り込む企画書なので、経験してきたすべての職務を書く必要はないんですよ。そのかわり、これまでのキャリアの簡単な流れとして職務経歴書の一番上に、略歴として簡単に書きましょう。当然、履歴書には記載しないとダメですよ。 |
なるほど。目からうろこが落ちました。 |
安達さんの職務経歴書には志望動機が書かれていませんが、志望動機は職務経歴書でもっとも重要だといっても過言ではありません。なぜなら「なぜこの会社を応募したのか」は採用担当者が一番知りたいことだからです。中には志望動機を真っ先に読む人もいます。不適切な応募者を採用すると社内で自分の評価が下がるということもありますから、熱心に読むんです。 |
書き方のコツってありますか? |
採用担当者は、応募者が会社に入って、ちゃんとやってもらえる人なのか、風土に合う人なのかどうか、つまり人柄を読もうとします。よって、志望動機では人柄をアピールすることが肝要。よって、文例集などから借りてきた、どこかで聞いたことのあるような言葉をなるべく使わず、自分自身の中から湧いてきたオリジナルな言葉で書くことが重要です。例えば、「こういう経験をしたことで、こういうふうに考えるようになり、御社を志望した」とか。その経験は、他の誰も知らない安達さんだけのものだから。結局人の心に訴えかけられるのは、その人ならではの個人的な思いや熱意なんですよね。 |
わかりました。熱意を込めて書いてみます。ありがとうございました。 |
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職種別!職務経歴書の書き方/解説&ダウンロード
「広報」
広報の職務経歴書では「具体的な方法」と「効果」を整理します。具体的な方法とは「どんな企業で、どんな商品を誰に対して、どんなメディアを使って、どのように広報活動したか」を指します。また、効果とは「売上高、製品数、前年対比(%)、売上構成比(%)」がどのように変わったかを記載することです。