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キャリアカウンセラーは雇用を変えるか−CDAの必要性と今後の展望

雇用流動化を反映し、キャリアカウンセリングへの関心が高まっている。キャリアカウンセリングに関するシンポジウムやセミナーも全国各地で開催され、今年3月には、キャリアカウンセラーの資格認定制度が誕生した。年内には4〜5百名の資格取得者が出る見込みだ。そこで今、なぜキャリアカウンセリングが注目されるのか、制度化の背景は何か、キャリアカウンセラーは本当に必要なのか。キャリアカウンセラーの現状と今後を探ってみた。

取材協力/株式会社日本マンパワー 東京本社 キャリアドッグ事業部
CDSセクター部長 立野 了嗣氏

CDA資格とは何か
 キャリアカウンセラーを行うための資格認定制度、それが《 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー) 》。民間の教育訓練事業者で構成される全国産業人能力開発団体連合会(JDA)の認定資格として、2000年3月に誕生した。

 これまで日本では、キャリアカウンセラーに関する社会的資格はなく、キャリアカウンセリングに関する有効なノウハウも確立されていなかった。このため企業内の人事・教育担当者、人材紹介・人材派遣会社のスタッフが、明確な基準のないまま独自に行っていたというのが現状だ。このため、十分な訓練を受けたキャリアカウンセラーの登場が待たれていた。CDAはわが国で初めて認定された、実務家レベルのキャリアカウンセラー資格なのである。

CDA誕生の社会的背景
 今、あらためて「キャリアカウンセラー」が注目され、その実務家レベルの資格であるCDAが必要とされる背景は何か。日本ではいったん会社に属したらひとつの会社で働くことが良しとされてきた。そこでは会社が社員の適性を判断し、自発的にキャリア形成について考えなくても、退職までのキャリアルートは企業が決定してくれていた。

 しかしビジネスのあり方が激変する今日、企業が個人の未来を設計し、キャリアゴールを設定することが難しくなっている。これからは、個人は自律的に自己のキャリア開発・管理を行い、個人の持つ能力・経験・価値観と、企業の持つビジョン・職業内容・労働環境をマッチングし続けていくことが必要となってくる。

 現在、個人と職業をマッチングする有効なノウハウは確立されていない。個人と企業の未来像を明確にし、一致させていく専門的なサポート体制、個人にとって望ましい職業・仕事は何かのアドバイスを与え、今後の方向性を示してくれる専門家「キャリアカウンセラー」の役割が望まれる背景がここにある。

「今まで日本では、個人に対してどんな方向でのキャリア形成が必要かをアドバイスできる専門家なり、もっと広い意味での社会的なシステムが欠けていた。しかしそれを早急に整備しないと 《人材の流動化》 や 《労働者の横断移動》 が円滑に促進できない という問題意識がありました。こうした背景のもと、キャリアカウンセリングの機能を社会に組み込むためのアセスメントツールの開発と、システムを運営していくための専門家・キャリアカウンセラー資格の導入を進めてきました」(株式会社日本マンパワー キャリアドッグ事業部 部長 立野了嗣氏)

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