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職務経歴書の書き方をプロが直接指南します。さてさて今回の相談者のお悩みは・・・・・・ |
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私はこれまでノンバンクの営業、携帯電話の故障修理、大手通信会社のブロードバンドインフラ構築・設備管理業務、システム会社で大手ポータルサイトやホスティングサービスの運用・保守など、いろいろな会社でいろいろな仕事を経験してきました。業界・職種などてんでばらばらで、全く脈絡がないんです。この点が非常にマイナスになっていて、人材バンクのコンサルタントや企業の採用担当者にも「キャリアに一貫性がないね」と言われ、書類選考で落とされることもしばしばなんです。だからこんな一貫性のないキャリアでも、書類選考を通過するためにはどう書けばいいかですごく悩んでいるんです。 |
なるほど。確かにキャリアに一貫性があるかどうかは、企業側が最も重視する項目のひとつですからね。実際にキャリアに一貫性がない場合、時系列、会社単位で職務経歴書を書いてしまうのが最もまずい書き方なんです。 |
え? どうしてですか? |
こういうふうに時系列、会社単位で書いてしまうと、それこそ業界も職種もバラバラなので、一体何ができるのか、強みは何なのかがよりわからなくなってしまいます。採用担当者によっては、何も考えずにふらふらしてきた人と判断されかねません。 |
キャリアに一貫性がないとハジかれるのはそういうことだったんですね。 |
採用担当者が見るのは、これまで経験してきた仕事を通して、どういうスキル・能力を身につけたのか、強みは何なのか、それによってどう会社に貢献できるのかということです。よって、そういうことが明らかになる職務経歴書にしなければなりません。 |
具体的にはどうすればいいのでしょう? |
時系列・会社ごとではなく、まずはこれまでやってきた業務内容・職務内容ごとに職務経歴書を作り直しましょう。表組みにして2つに分けて、左の列は職務領域、右の列は職務内容とします。職務領域欄にはこれまで経験してきた業務と経験年数、職務内容欄には仕事内容、会社への貢献したこと、身につけたスキル・能力を書きます。これはどんな仕事でどんな成果を挙げ、結果どんな力を身につけたのかをわかりやすく関連付けてアピールするためです。こうすれば説得力が増すでしょう? |
なるほど。なんとなくわかってきました。 |
だから現時点で自己PRの中に入っている業務を通して身につけた強みはすべて職務経歴書の職務内容の欄の中に入れ込みましょう。 |
ところで、田坂さんは今後どういう仕事をしたいと思っているのですか? |
やはり一番経験が長い通信企業でのインフラ構築や設備管理業務をやりたいと思っています。 |
では、職務領域には「業務管理」を一番前にもってきて、スペースも大きくとって詳しく書きましょう。言うまでもなく転職は競争です。大勢の応募者の中から田坂さんを選んでもらわなければいけません。そのためにはひとつでもいいので売りとなるキャリアがほしいですね。この間の経験で身につけたほかの人とは違うアピールポイントはありますか? |
う〜ん……僕には人に誇れるような創意工夫も成果もないんですが……。 |
本当ですか? 何も表立った業績や成果でなくてもいいんですよ。そもそもバックヤードの仕事は営業とは違って華々しい成果は挙げられないのですから。テクニカルスキルではなくてもヒューマンスキル的なものでもいいんですよ。 |
そういえば手間のかかる面倒な仕事も苦にならないんですよね。むしろ人が嫌がる仕事をやりたいと思っていて、実際、期限内にきちっと仕上げていました。 |
それですよ! それは大きな武器になります。 |
でもこんなの誰にでもできる普通のことなんじゃないかと思うのですが……。 |
決してそんなことはありません。あなたにとって当たり前のことであって、他の人からみると決して当たり前ではないと思いますよ。当たり前のことが当たり前にできない人も多いのですから。バックヤードの業務にするにあたって、人の嫌がる面倒な作業をコツコツと期限までに仕上げることができるのは大きな武器になりますよ。あとはどううまく表現するかですね。ここはテクニックになります。もちろん嘘はいけませんが、同じことでも表現次第で全く印象が変わってきますから。例えば「淡々と業務をこなしていただけ」は「コツコツと正確に仕事ができる」と言い換えたら随分印象が違うでしょう? だから同じことでもよりポジティブな表現に変えるように心がけることが大事です。会社への貢献という意味ではどうですか? |
これもあまり自信がないんですが、コスト削減まではいかなくても、納期内に仕事を仕上げて、利益を生み出すためのベースを早く作っていたということはいえると思います。 |
それも大きなアピールになりますよ! それは明らかに利益貢献です。こういう点を全面に押し出しましょう。 |
なるほど……。少し自信が湧いてきました。 |
職務領域は絞った方がいいですね。後は直近の仕事だった保守・運用もバックヤードの管理業務なので、これも入れてふたつにしましょう。 |
え? ノンバンクでの営業や携帯電話の仕事の経験は書かなくていいんですか? |
職務経歴書は、これまでの経験を通して自分はこういうことができます、自分の強みはこれです、だから御社に貢献できますということをアピールする、自分を売り込む企画書なので、経験してきたすべての職務を書く必要はないんですよ。そもそも職歴は履歴書に書くし、これまでのキャリアの流れは職務経歴書の一番上に、略歴として簡単に書けばOKです。 |
なるほど。また一枚、目からうろこが落ちました。 |
自己PRはどう書けばいいでしょうか? |
箇条書きでシンプルに自分の強みを書いた方がいいですね。職務経験から身についた強みは職務内容と連動させるために職務内容欄に書いた方がいいので、ここでは仕事に対するポリシーや姿勢など、ビジネスパーソンとしての強み・長所を書いた方がいいですね。あと、志望動機は必ず書きましょう。履歴書のスペースだけでは書ききれないはずですから。ぜひ御社で働きたいんだという熱い思いを書くのです。志望動機に限らず、職務内容欄でも、自己PRでも、熱意を込めることが大切です。読む相手だって同じ人間なのだから、思いや熱意がこもった職務経歴書の方が伝わるはずです。頑張ってみてください。 |
なんだかこれまでとは違ったものが書けそうな気がします。ありがとうございました。 |
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「ネットワークエンジニア」
プロジェクトの内容・規模・開発環境は必ず記載し、プロジェクトごとに整理しましょう。また、読み手が人事の場合、強みが伝わりにくいため、別途「職務上の強み」を項目だ…※職歴書サンプル付きで詳しく解説!