20代の転職　企業の採用感が変化—今が20代転職の好機！ 就職から３〜４年。そろそろ周りが気になり出し、本当に自分がやりたいことが見え始める頃。転職という選択肢を意識するのもこの頃だ。しかし転職には不安が伴うのも事実。そこで20代転職の実態はどうか、企業は20代転職者に何を求めているのか、転職成功のポイントは何か。20代の転職に実績のある株式会社ソシオのカウンセラー、鈴木寿彦氏にお話をうかがった。 取材協力／株式会社ソシオ 人材紹介事業部 　カウンセラー 鈴木寿彦氏 即戦力から可能性のある20代へ ２〜３年前から中途採用市場が活発になってきました。その当時は中途採用イコール即戦力ということで、30代前半のキャリア層が市場の中で人気がありました。その傾向は今も続いていますが、需要の高まりに即戦力の補充が追いつかないというのが実状です。 　　 　 　 　即戦力で埋められない人材需要を満たすために、企業は即戦力人材から可能性のある人材、第２新卒層を含めた20代の若手に目を向け始めています。こうした流れを受けて、大手企業を中心に20代の若者層に対する採用ニーズが高まっているという状況です。 　特にIT業界は慢性的な人材不足の状態。採用要件として以前はある程度の経験やスキルが要求されました。ところが、ここ最近の動きとして、経験が足りなくてもポテンシャルの高い人へのニーズは高く、20代であれば未経験でも自社で育てますという企業も増え始めています。 　一方で20代のビジネスパーソンの転職に対する意識も変化しています。就社から就職、会社へのこだわりから仕事へのこだわりと、キャリアを意識する20代が増えています。これはある意味、選択肢が増えてきているからだと思います。企業規模、業種、 IT関連業界を中心とする元気のあるベンチャー企業。その選択肢の多さをうまく生かして、キャリアアップしていこうと考える20代が増えています。 　このように企業側の中途採用に対する意識変化と、若手の転職に対する意識変化が、転職市場を動かし活発化しているように思います。 　 20代転職はポテンシャル採用 　ある意味で新卒者はほぼ100％ポテンシャル採用ですが、第２新卒層を含めた20代若手に対しても、企業はポテンシャルを認めて採用する動きが見られます。若年層の場合は、専門知識と言っても限られるため、その人の潜在能力が評価されるわけです。 　その際に転職者はポテンシャルの部分を企業にどう感じさせるのか、どのようにアピールしていけばいいかということがポイントになります。企業に期待感を抱かせるためには、コミュニケーション能力、論理的思考力、行動力が重要なキーワードになっています。 　本来はこの部分をよりアピールしていくべきなのですが、「自分にはコミュニケーション能力がある」とか「行動力がある」など、なかなか本人には見えにくいものです。そこで多くの人は、今までの少ない経験やスキルを必死にふくらませてアピールしようとします。中途採用イコール即戦力ということになると、職務経歴書が大きなウエイトを占めます。しかし若年層の場合は、職務経歴書だけで自分をアピールすることは難しいと思います。