自分を諦めない。チャンスを信じ続けることの大切さ
そんなある日。「ここで仕事をしてみたい」と思える求人に出会った。業界は違うが自分のやってきたことを生かせる。なにより、ものづくりスピリット溢れる社風が有名な企業だった。「ダメな商品プランには、徹底的にダメ出しされる厳しさの中で仕事がしてみたい。どうしても、行きたい」。
応募すると決めてからは、必死だった。どうすれば「この人が欲しい」と思ってもらえるかを考え、一字一句こだわりながら職務経歴書を作った。これまでどんな商品を手がけてきたか、ファイルにまとめた。連日、徹夜作業になった。
そのかいあって、面接に呼ばれた。丸一日掛けて、試験、プレゼンテーション、面接を行った時には「出来る限りのことはやりつくした」と思えた。そして内定。
転職活動をするまでの間、「私はここで、このまま終わってしまうかもしれない」との思いにのみ込まれてしまいそうなことがたびたびあった。自分の力をもっともっと伸ばせる環境に身を置いてみたいとの欲求に蓋をして、簡単に転職できそうな仕事に気持ちが傾いた時期もあった。しかし、自分を諦めてはいけない。
「数年後の自分のイメージを持ちながら今の仕事に取り組んでいると、そう遠くないところにいることができる、というのは本当だと思いました。外でも通用する力が付いているだろうかとの不安を抱えながら、自分なりにアンテナを張って仕事をしてきたこの3年半は、無駄ではなかった」
人生の中で思い通りにならないことは、たくさんあるだろう。それでもいつか巡ってくるチャンスを信じて、自分の出来る限りのことを精一杯やっていれば、もっともっと自分を生かすための転機は必ず訪れる。
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