今でもうまくビフレンディングできたと思うときと、失敗したと思うときがあります。
成功したと思うときは、相談者の気持ちにちゃんと寄り添えたとき。これまで誰にも言えなかった気持ちを語ってくれて、少し楽になりました、と口で言うだけじゃなくて、心からそう思ってくれてるなと感じる瞬間があるんですね。今日も何件かありましたけど(※4)。
失敗したと思うときは、自分の価値観でものを言ってしまったときです。特に若い男性の相談者からのときが危ういんです。もちろん相談者によるんですが、「働きたくてもやる気が出ない」とか「仕事が長続きしない」っていうことを言う若い男性には、「弱音ばかり吐いてないで頑張れ」と、どこかで思ってしまう自分がいるんですよね。しかし、それは私の価値観を押し付けることになるので良くないことなんです。最近はなんとかコントロールしながらやれていると思うんですが、ごくまれに「それはこうすべきなんじゃないんですか?」って価値観を押し付けてしまうときがあるんです。
その瞬間、ガチャンと電話を切られてしまうことがある。「もうおまえの話は聞きたくない」ということです。そんなとき、ああ、失敗したなと思うわけです。本来なら「あなたは今そう思っているんですね」と相手の気持ちを尊重しなければならないのに、十分に気持ちに寄り添えなかったなと。
相談者はあくまで自分の気持ちを聞いてもらいたいから電話をかけてくるんであって、私の意見を聞きたくてかけてくる人はほとんどいない。大抵は、つらい気持ちを抱えていて、どうしていいかわからない。要するに話を聞いてもらいたいってことなんですよ。
相談者の話を聞きながら、あくまで「気持ち」に寄り添い、気持ちよく話してもらうことによって、つらい気持ちを和らげてもらうようにするべきなんです。
でもごくまれですが、逆に「アドバイスをもらいたい」という人もいます。私なりに思うことを一応伝えたのですが、「もうちょっと気の利いたことを言ってくれません?」って不満を言われたことが1度だけあります(笑)。かなり例外的なケースですけどね。
※4 今日も何件かありましたけど──取材日も数時間前まで深夜の電話相談を受けていた
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