このコラムを書いている10月6日、朝マシンを立ち上げて、ニュースリーダーのトピックスを流し込んだ瞬間に、思わず「ああっ・・・ついに」と呻いてしまった。
アップルの創業者であり前CEOのスティーブ・ジョブズが亡くなったというニュースが多数リーダーのトピックスにあったからだ。
特に知り合いでも自分の会社がアップルと取引をしているわけでもない。
ただ、IT業界にとって最も重要で象徴的な偉人であるし、私個人にとってもこの業界で生きていくための一つの拠り所となっていたのは間違いない。
未だに捨てられなくて自室に飾っている古い製品も含めて、私が持っているApple製品というと
・Machintosh Classic
・Machintosh LC-575
・初代iMac(ボンダイブルー)
・初代iPod nano
・iPod Shuffle(初代と最新のと)
・iPhone 3GS
・Macbook Air
といった感じ。
20代の頃からなんだかんだで、転機となるアップルの製品は使ってきたような気がする。
そして、そのすべてのアップル製品は、時代時代に私が、
「もうこんな面倒くさい仕事辞めてやる!」
と折れそうになった時に、
「いやいやコンピュータの世界ってまだまだ面白いぜ」
と語りかけてくれるようで、この業界の末端でもいいから存在し続けろよと私を鼓舞し、力づけてくれた製品達だ。
アップルの製品は特段に高品質というわけではない。
初期の頃はSAD MACといってOSが致命的なエラーに陥る事もしばしばあったし、機能美を優先するあまり、よくCDドライブのトレイが詰まったり、ヘッドフォンのジャックの接触がブチブチいい出して音が出なくなったりした。
ただひたすら美しくシンプルだった。
使う人にある程度の知識と鍛錬を要求するコンピュータという機械の世界において、アップルのハードウェアは、
“使う人のために機械が合わせてくれるハードウェア”
であった。
コンピューターを使うというよりは、その先にあるクリエイティブな作品を作るためのツールとして機能した唯一の機械ではないかと思う。
スティーブ・ジョブズは有名人であっただけに数多くの逸話がある。
技術力は皆無で単なる商売人だとか、社員に理不尽なクビを言い渡す変人だとかいった話もよく聞く。
だが彼がアップルに復帰する度に出してくる製品は、すべて
“最先端のアートと遠い未来の技術を融合させた”
スティーブ・ジョブズの頑なな意志と哲学が結晶したすばらしい機械だった。
スティーブ・ジョブズが2005年6月にスタンフォード大学卒業式で行った有名なスピーチがある。
・点と点をつなぐ(過去のどんな出来事も未来の何かとつながっている)
・愛と敗北(どんな挫折を味わっても耐えれる好きな事を見つけて愛し続ける)
・死(時間は限られている。自分の心や直感に従う事を最優先にしなさい)
この3つの事は今の私の生き様にも少なからず影響を与えていると思う。
ご冥福を祈るというよりは、多大なる感謝の意を捧げたい。
この間買ったMacbook Air、一生大事に使っていきます。
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