キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第56回 上から目線

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

上から目線

 さてまあなんというか、現状の日本を鑑みると、最もトラブルレスかつ粛々と進めていただきたいのが国政であるのに、その国政が事あるごとにトラブルというか、面白いイベントを起こしてくれて、こういったコラムのネタを提供してくれるのでありがたい。

 先々週に就任して先週にご退任された復興担当相の方が、応接室のソファーにあと5cmほど前へずれたら落ちるよといわんばかりに座り、礼儀を失したやる気を削がせるばかりの言葉を放り投げる姿は、国政に携わる長の態度としては見ていて非常に不愉快極まりないものではあるが、企業に勤める私からすればじつに見慣れた風景で、サラリーマン人生において同じような人物に出会うのは決して珍しい事ではない。

 一度、けっこう大企業のIT会社の、それこそ"エビ反りふんぞり返り系支店長"と一緒に採用面接に同席させていただいた事があるが、40分予定の面接をがっつり100分近くまで延長し、

  • IT業界とは
  • 俺の功績とは
  • 有意義な人生の過ごし方とは

的な、面接とはなんら一切関係のない講釈を約80分間以上垂れ流し続けたのには呆然とした。

 一生懸命相づちをうちながら「すごいですねー」とヨイショに終始していた面接相手が気の毒で仕方がなかった。
 横に座っていた私は、経歴書をガサガサといわせながらなんとか"中途採用面接"の本来の姿に戻そうと必死にサインを送っていたが、このおっさんはまったく空気が読めず、ガハハハどうだ俺すごいだろと終始ご満悦。
 面接を中断して、その支店長を会社の裏に連れて行って正拳突きくらわせながら
「身分不相応な肩書もらって自分を見失うな!この素人が!」
と完膚なきまでに叩きのめす・・・という妄想に浸りながらこの苦渋の100分を乗り切った記憶がある。
 結局その方は断ってきて採用できなかった。
その時支店長は「なんだあ、俺にビビったか?ガハハハ」と・・・アホ(苦笑)

 また、課長職のおやじが若い社員に命令しながら、一般社員用椅子の肘掛を外させているという場に出くわしたこともある。
その会社は、全席肘掛付きの椅子を一括購入したようで、ご本人がおっしゃるには、上席の自分が肘掛があるのは当たり前だが、若い一般社員が肘掛を使うのはまかりならんとの事。午後の就業時間を費やして、自分の椅子以外の肘掛を必死になって取り外させているその姿は、異常以外の何物でもなく、ちょっとした狂気を感じた。

 もちろん、長が付く方が、皆が皆そんなエビ反り勘違いなわけではない。
一部上場企業のCEOが見守る会議の席でプレゼンを行った事があるが、そのCEOは終了後、ニコニコと笑顔で近寄ってきて、ガシっと握手をして「わざわざありがとう。期待してます。」とずーっと年下の青二才の私に対して威厳を維持しつつも、低姿勢でスマートにねぎらってくれた時は、そのダンディっぷりに男なのに惚れた。

 ここで何度も書いた記憶があるのだが、長の役目は上から目線で指示を出す事ではない。
相対的な優劣だけを示す事に必死になる事は決して長のすべき事ではない。
「君は物足らない」
「君はバカだ」
「君は間違っている」
と言い放って、(実際にバカで間違っていたとしても)言う事を聞いて心を入れ替えてくれる部下は一人もいない。
一見、
「はい申し訳ありません。」
と言う事を聞いていても、その部下は心の底では
「このおやじいつか・・・(怒)」
と思うだけで、組織としては何の効率も生み出さない。
 そしてそんな長は、組織のパワーを低下させるだけさせた後、得てして自分のパワーの衰えと共に消えていく運命にある。
さっきのエビ反り支店長も、肘掛課長もあっという間に消えていった。

 今回の政治イベントで、「長幼の序」というあまり聞きなれない言葉が出てきた。
ニュースを見ていると、上下関係といった意味にとれそうな感じだが、本来の意味は”長じたものは幼い者を慈しみ、幼い者は長じたものを尊敬する”という儒教の教えの事だ。

 今、長が付く肩書を頂戴している方は、幼いものを慈しんでいるのだろうか?そして幼いものから尊敬されているのだろうか?
そして今回のニュースを見ながら「はっ!俺もあいつとさして変わらない長だ!」と気づけた長は、はたしてどれだけいるだろうか?

(2011.7.11)

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