キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第55回 日本のIT技術

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

日本のIT技術

 私は、比較的早めにゼネラリスト系を目指しだしたので、あまり根をつめてプログラムを書いたほうではないのだが、それでも自分が業界に入社してしばらくしてから・・・そう、だいたい25歳から35歳ぐらいまでの10年間ほどはかなりプログラムを書いた。
 当時は仕事とはいえ、なんというかちょっとした遊びの時間というのがけっこう取れて、その間に我流プログラムを書いたり、実験プログラムを書いたりしてけっこう面白い作品をちょこちょこ作ってた。けっこうこれは使えると言う事でそんなプログラムを実際の仕事に使ったりした事もあったかな。

 すっかりおじさんになってコンサルまがいの仕事するようになった今、まわりで働いている若い技術者を見るとずいぶんと窮屈そうにしているなあと感じる。常にガチガチに決まった仕様で余計な作業をする余裕もなく、スピードとコストばかりが重要視され、楽しそうにプログラミングしている感じが見受けられない。
 それどころか、プログラム製造を海外に委託するオフショアが一般的になって作る機会が少なくなった今のIT業界では、若いのにプログラムを書かないプログラマさえ散見される。

 私の会社で今年入った新人は、けっこう念入りにプログラミングの研修を受けている。
大学なり専門学校で当然プログラミング言語の文法の習得であるとか、ちょっとしたお遊びプログラムは作っているだろうが、仕事で作るプログラムはそれでは通用しない。
 柔軟性、冗長性、可用性が考慮されつつもシンプルでスピーディなプログラムを作り上げる能力が必要で、そしてそのプログラミング能力は、ゼネラリスト系だろうが、スペシャリスト系だろうが、IT業界のエンジニアを目指す上での"絶対的な基礎"になるからだ。

 日本のIT業界は、オフショアを進め一見ものすごく低コストで大規模なシステムを作れるようになったように見えて、なんとなくその本業の基礎であるプログラミングを軽視する事で、ゆっくりとその本来のパワーを失くしていっているように思えて仕方がない。

 ここのWEBサイトのコーナーである「魂の仕事人」は私も好きでバックナンバーを含めて全部読んでるのだが、第15回から始まる三鷹光器株式会社会長の中村義一さんの話が面白い。
「大企業の連中は頭はいいか知れんが、アイデアを浮かべる事が出来ない」
とおっしゃるくだりは小気味よくさえある。

 今、日本のIT企業はコストと利益ばかりに気を取られすぎて、アイデアに満ちた日本のIT技術が生まれてこない状況になっているのではなかろうか?

 先週末、1982年公開のSF映画「トロン」とその続編となる2010年公開「トロン・レガシー」という映画を連続で観ていて、ふと1984年に立ち上がった日本の独自OS開発プロジェクトのTRONプロジェクトの事を思い出した。
最初の映画「トロン」が公開された1980年代は、日本のIT技術は(ITという言葉はなかったかな)日本製OSまで作ろうとするほど技術に熱かったような気がする。

 映画「トロン」が圧倒的なCG技術で「トロン・レガシー」へと進化したように、日本のIT技術も、ものづくりの原点に立ち返り、あの時の熱狂をもう一度再燃させてみてはどうだろうか?

 ちなみにTRONプロジェクトが元で作られた純国産OS、μITRON(まいくろあいとろん)は、現代の携帯電話や自動車でも使われている。
 あの、小惑星イトカワまでいってサンプル採取して帰ってきた「小惑星探査機はやぶさ」にも使われていたのだ。

日本のIT技術もまだまだ捨てたもんじゃないのですよ。

というわけで、締めの言葉はあっという間に、皆言わなくなったこれで。

「がんばれ日本!」

(2011.6.27)

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