キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第37回 まずはバランス

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

まずはバランス

 ここ1週間ほどは某企業のIT部門の来年度予算策定のお手伝いをしている。
縮小すべきWEBサイト、拡大すべきWEBサイト、必要なハードウェア、システムを開発するための人的工数、そういった諸々の要素をかき集め、ハードウェアベンダーやソフト開発会社やパッケージを扱っている会社に概算見積を取り、だいたいの費用感をすり合わせながら、2011年はだいたいこれぐらいの投資が必要ですという結論を出すという作業。

 当然私一人でできるわけではないので、10人程度のスタッフが手を変え品を変え、あーだこーだと資料をひっくり返し、電話をかけまくりながら悪戦苦闘している。
 そんな高負荷な作業をしていると、大体スタッフの癖というか要領といったものが見えてきて興味深い。

 30代後半で、この企業のIT部門の内情をよく知っているエンジニアは、内情をよく知っていて顔見知りも多いので、予算積み上げの仕事は早いし要領もよい。
反面、自分の考えが最も優れていて的確という絶対的な自信があるらしく、たまに違うオプションを提示しても
「そんなん話にならないですよ」
と一蹴するし、別部署から丁重な依頼事項があっても
「そもそもそちらの部署の仕事なんだから知らん」
と角の立つメールをぶん投げる。
勤怠もけっこう自由主義で、仕事場であまり見かける事がなく、会議に招集されても独断で出欠を決めるので、まわりのスタッフがよくそのエンジニアを探して右往左往している。

 50代でこの現場にやってきたエンジニアは、非常に物腰が柔らかく紳士的で粛々と作業を進めるタイプなのだが、反面対外的なアピールが弱くまた一人で粛々と、"ピントのずれた"作業を進めるので、出た結果がほとんど使い物にならなかったりする。

お客様いわく
「"すぐに"バクっとしただいたいの金額が知りたい」
といっているのに、ありとあらゆるオプション、リスク、パターンどころかその歴史から経緯まで長期間かけて調べ上げ、10パターンぐらいの金額を提示したあげく
「誰がこんな資料欲しいっていったの!?」
って怒られているのに、別の作業をまた同じようにやってまた怒られていたりする。

 随分前の話にはなるのだが、何かのセミナーでハローワークの職員と知り合った事があるのだが、
「オレはこんな仕事を完璧にこなしてきた!」
と主張する、けっこう大手企業出身の役職出身者ほど、たいてい転職先で何らかのトラブルを起こしてすぐハローワークに戻ってくると聞いた。

ハローワークには転職先から
「ものすごい経歴の人ですよって紹介されて受け入れたのに全然使い物にならないじゃないですか!」
というクレームをよく受けるらしい。

個性を大事にとか、その人にはその人にあった仕事があるとか色々優しい考え方もあるのだが、やはり見知らぬ人同士が集まって顔を突き合わせてやる 以上、その個々の能力とか個性とか以前に、人としてのバランスというものが大事なのであろう。

逆に、人としてのバランスを持ってさえいれば少々業務遂行能力が劣っていても、それこそチームで補完しあっていいプロジェクト運営が出来たりする。

というわけで、大事なのは能力でも個性でもなく、それ以前に
「まずはバランス」
なのです。

自分の価値観がどんどん固まって融通のきかない人になりがちな年寄りに近づきつつある今だからこそ私自身、この
「まずはバランス」
と言うことを意識してみたいと思う今日この頃なのです。

(2010.9.27)

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