先日、某大型電気店の無線LANコーナーで「無線ブロードバンドルーター」を買い替えるべく色々と品定めしていると、隣で20代後半の店員が50代半ばの女性の質問に答えている話が漏れ聞こえてきました。
「なんかコンピュータ買ったら無線LANとかいうのでインターネットにつながると聞いてたんやけど何をしたらいいのかさっぱりわからなくて・・・」
「ではお客様の購入されたパソコンの無線LAN子機が802.11a,b,g,nのどれに対応しているかわかりますか?」
「えっ!?えーびーじー?いやもうわからなくて・・・」
「最近の商品ですと、NAS機能を搭載した商品がおススメです」
「なっ!?なす!?・・・おほほほほ」
確かに、無線LANの機器というのは通信規格や周波数やセキュリティや通信スピード等々色々と専門用語があって、一般の方が設置するにはなかなか敷居の高い商品なので説明する店員の苦労もよくわかります。
だからといって、多分何もわからず困り果ててやってきた上品な初老の女性の方にいきなり802.11abgなんて話をするのはあまりに無粋すぎるし失礼な話だと思うのですね。
IT業界の人たちは英字省略語をよく使います。この業界に入った時に驚いた言葉がたしかWYSIWYG(ウィジウィグ)という言葉。What You See Is What You Get(見るものが得るもの)という言葉の頭文字をとったもので、コンピュータの画面上に表示しているそのままの状態を結果として得られるような(印刷とかね)技術の事です。その言葉の語源なんかを知る今となっては面白い言葉だなぁと思ったりもするのですが、当時新米の私からすれば、なんだその無理矢理な省略語は!?なわけです。
「ここの要求はウィジウィグなわけですから・・・」
なーんて気取って言ってる当時の先輩社員なんかに
「そのままのデザインで画面印刷したいって言やあいいのに・・・ぷっ」
などとつぶやき、喧嘩してボーナスが5万ぐらい下がった記憶も今となってはいい思い出。
(これはひどいパワハラだ)
つい先日のメールなんかも
「HPのVM移行の件、DBのっける場合は、DQの確認してCAPA決定してください。返答はASAPでよろしく。」
みたいな感じ。
DBってドラゴンボール?DQってドラゴンクエストがどうかしたか?って冗談はいいとして、無理矢理これをできるだけわかりやすい日本語で表現すると
「ヒューレッドパッカード社製の仮想マシンにデータベースを搭載したサーバを入れる場合はディスクキュー(ディスクのIO頻度)が過剰かどうかの確認してその容量を決めて下さい。返信はできるだけ早くお願いします。」
って事です。これでも何いってるかわからない(笑)。
仕事の効率化の為に、業界や仕事場で独自に作られていくテクニカルターム(専門用語)を決して否定するわけではないのですが、そのエリア外の方達に得意満面の表情で専門用語を連発してプレゼンテーションをするITエンジニアをたまに見かけます。
非常に高飛車で見ていて不快でそして何をいってるかさっぱりわからない(笑)。
たちの悪いことにそんなITエンジニアが
「今日の客は情報リテラシーが低くて大変だったが、ガツンと言ってやった!うははは。」
と何か感違いしてたりするのですね。
テクニカルタームを自分達のエリア外に持ち出す時は細心の注意を払う必要があるように思います。IT業界は特にそうかなと思います。
性能が飛躍的に向上する、複雑でわけのわからないコンピュータの仕組みとその利点を簡単な言葉でやさしく説明できる。
そういったテクニックもITエンジニアにとって大切な能力だと思うのです。
ちなみに無線ブロードバンドルーターですが、色々なメーカーがあって色々なうたい文句が並んでますが
「ハイパーレンジ」、「ロングレンジ」
とか要は、無線が遠くまで届きますよ!と書いてある商品で、かつ1万前後なら各社とも大体性能は一緒なので、あとはデザインとか好みとかで選んで大丈夫です。
50代の女性の方は、不安そうな表情で8000円ぐらいの商品を買っていかれました。
ああっ、お家にお邪魔してセッティングしてあげたい(笑)
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