さて現在私は、けっこう大手の総合通販会社に対してITエンジニアリングな仕事をしているわけですが、どうも5月も終わろうというのに若干5月病のようで、目の前の仕事をぜーんぶ放り出して旅に出たい！っていう衝動が襲ってきたり、普段から打ち合わせ中に相手の話し方というかその理論の展開の仕方にイライラすることはよくあるのですが、それが高じてなんというかもうその人の髪型からネクタイの色にまでイライラしてみたりする情緒不安定な気分だったりします。

　でもって週末に疲れた体をソファーに投げ出して
「会社を早期退職し、故郷で本当にやりたかった無農薬農業をはじめた夫婦の物語」
なーんていうテレビ番組なんかをボーっと見ていたりすると、あぜ道に座って山を眺めながら妻の作ってくれたおにぎりをほおばったりしているお父さんの姿がやたらうらやましくて
「はあ、俺も人的ストレスと金銭ストレスのない世界に生きたいなあ」
などと思って、いてもたってもいられない気分になります。
（無農薬農業をやっても人的ストレスと金銭ストレスどころか、肉体的ストレスまで加わるという事を理解していないバカモノですね）

　35歳ぐらいまでは
「まだまだこれから！仕事はいくらでもある。気楽にいこうぜ！」
などと余裕だったのですが、どうも私は根性なしらしく、40歳を越えたあたりから
「貧乏でもいいから何もしなくていい年金生活者になりたいなぁ（笑）」
などと、早くも隠遁生活を夢見る覇気のない中年おっさん思想になりつつあるようです。
っていうか、40代のエンジニアの働く場所がなくなっていってるようで逃避したい気分満載でございます。
（しかし、そんなネガティブシンキングな人の文章をよく採用してくれるなこのサイト）

　人様に読んでいただくコラムでこんな愚痴のような事に終始するのもどうかと思うので、ちょっと真面目に考えてみると、なんだかこの"覇気がない状態"というのは、単に私の年齢的な問題だけではなくて、ここ最近の"日本"という国自体に広がっているマインドなのではないかと思うようになってきました。

　大きな車もいらない。でかいマンションに住みたいというわけでもない。人的ストレスに耐えながら仕事するのもメンドクサイ。気の合った仲間や家族とゆっくりとした生活を過ごせればそれでいいという若者。

　予算がない。あまり最先端な技術を採用してコストがかかるのもなんだか嫌だ。
そもそもそんなに投資して新しいソリューションを採用しても本当に効果あるの？
もっと原点回帰というか、自然で無理のない企業活動がいいじゃんという企業。

　お隣の国、中国は高度経済成長時代の日本のように万博を開催してワイワイ盛り上がっている中、なんか美辞麗句を並べ立ててから後で言い訳してみたり、過去の私怨で好き放題やるガラの悪い大臣がいたりしてダラダラやっている内に、国際競争に打ち勝つ強烈な資本主義国家にもなれず、かといって国内の福祉を重要視するデンマークのような福祉国家にも誘導しきれていない中途半端な政治。

　先進国が成熟する時の過渡期なのか、単に国としてのエネルギーを失いつつあるのかはわからないですが、どうも落ち着かない、身のよりどころがない不安な気分にさせてくれる国になってしまったなぁって感じなんですね。

　そうそう。5月連休明けぐらいから、
「Aという仕事をもう一度やり直してBという結果を出そう！」
みたいな話があって、1ヶ月間関係者を引っ張りだしてけっこう遅くまで働いていたのですが、結局
「うーむ、これだけ時間をかけたが、AはあくまでもAってことですな。」
という結論に達した時に、誰かが
「わはは、これはまるで普天間基地気分ですな」
といって不謹慎にも全員で大爆笑してたのですが、まったくそんな話のネタにされてるような事してちゃダメですよ首相。

　・・・あっ。
結局なんだか自分の愚痴と政治の愚痴に終始してしまった。
次回からもうちょっとしっかりITエンジニアらしい片鱗を出していこうと思います。

まあ、こんな陰気な愚痴モードに陥ってしまうあたりはITエンジニアらしいといえばらしいのですけどね（笑）