キャリア&転職研究室|ITエンジニアのおにぎり|第22回 一億総職人時代に戻る時代?

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ひげぱわーって誰?

1964年生まれ/大阪在住

・小学校高学年あたりから、学業そっちのけで自分はプロのミュージシャンになるという妄想を抱き続ける。
・大学卒業間近に妄想力尽き就職する羽目になる際に適当にIT業界を選ぶ。
・知らぬ間に1000人企業の支店でシステム部統括マネージャと言われてしまう。
・現在社員数10名ちょいのベンチャー会社マネージャー

 童顔を隠すため無精ひげを生やし「若干不良が交じったイケてるアントンプレナー風」を演出してみるが昨今は年齢もあって普通におっさん化してるような気がする。
たいした技術力はないが、笑って仕事ができる環境を作り上げる技術力はきっとあるんじゃなかろうかと思ってるし、寧ろそれが本当の技術力と豪語したりしてる。

一億総職人時代に戻る時?

 先日、けっこうな規模の繊維メーカーの情報系会社に勤めている営業マンから突然、
「会社の決算がかなり赤字になりそうで、ついに退職勧告受けてしまいました。」
としょんぼりとした電話があった。
  親会社メーカーに依存した体質からの脱却をはかって外部に新しい顧客を作るべく雇われた営業マンだったのだが、その志半ばでの一方的な退職勧告だったようですっかり落ち込んでおられた。

 私が10年ほど前まで所属していた、たくさん社員を抱えている独立系SI会社も雇用調整助成金を使って休業制度を取り入れてるだけではままならず、けっこうな数の社員に辞めてもらっているといった話を聞く。

 何を隠そう実は私も、今、数枚の職務経歴書を預かっている。
いずれも前の会社で席を並べていた社員。全員40代中盤から50歳ぐらいの方達だ。
まあたしかに一匹狼的な技術者もいらっしゃるのだが、それでも妻がいて子供がいて犬なんかもいたりする方や、病気がちの母の面倒をみている方や、近々10歳も年下の女性と結婚される方(ちょっとうらやましい・・・(笑)とそれぞれの人生を歩んでいらっしゃる。
  大手家電メーカーや繊維メーカー出身だったり、大手の商社出身だったりと経歴もそんなに悪くない。
  それなのに、私の会社のような少人数会社にまで職務経歴書を送ってくる。まあ知り合いということもあるのでしょうが、急に退職勧告を受けた営業マンといい、やたら私の手元に集まる経歴書といい、いかに今雇用情勢が厳しいか、それも特に40代以降の雇用が厳しいかを感じさせてくれる。

 産業雇用安定センターの某大企業担当の方(大手が大規模なリストラとかをすると、大体こういった機関はその企業専任担当をつけたりする)とお話をする機会があり、その中で興味深いというか切ない話を聞いた。

「もし地下鉄に乗る機会があったら、45歳ぐらいから上のサラリーマンの数をカウントしてみたらいい。残念ながら昔に比べてぐっと減ってるから。」

「実際、IT関係でも、40代中盤から紹介できる企業はぐっと減る。年収も600万以上出せる会社はほとんどない。希望年収400万〜500万でやっと何社か紹介できるようなレベルになっているよ。」

 想像するに、仕事が減っている昨今、中小企業は廃業や合併をし、大手企業もスリム化をはかったりそれこそ合併をする事で、わずか数%の経営層を除いて、結局会社に依存して部下にチャチャを入れて仕事をした気になっている管理職というのが必要なくなってきたのだろうと思う。

 最近流行のtwitterを私もやっているが、ある方が作家、編集者の菊池夏樹氏のtwitter(http://twitter.com/n_kikuchi)の一文を紹介してくれた。なぜかグっと来たので紹介したい。

「人間は皆、職人であるべきだと私は思うようになってきた。魚を捕る人、野菜を造る人、住む家を作る人、そしてその力を交換しあって、人は助け合って営みを繰り返してきた。いつから人々は、座ったままで物を動かすようになったのだろうか?」

「バブルが崩壊した。崩壊したのはバーチャルな部分だけだ。職人が崩壊したわけではない。会社の力に頼って仕事をしてきた人は、その後困ったかもしれないが、職人気質を持っていた人は、どの世からも求められたはずだ。是非一億総職人時代に戻ることを私は願っている。そうすれば人々は互いに助け合うことが出来るからだ。」

 現代社会において、ドイツのマイスター制度は崩壊しつつあるという。また働き盛りの社会人が経済社会の競争から逃避し、実家の農業なんかに癒しを求めるというのも手放しで賛成は出来ない感じもする。

 ただなんだか今の日本企業は、管理者を重んじ、本当の生産者である職人を軽んじて全て絵空事(バーチャル)の世界で仕事をした気になってしまっていて、その結果として今回の不況でしっぺ返しをくらっているように思う。

 管理者、マネージャー、取締役、etc・・・。みんな席を立ってバーチャルな仕事から飛び出して本当の仕事をしようではないですか。
  そして政治には是非年寄り役職関係なく、バーチャルではない本当の仕事で思う存分腕をふるえる社会を作っていっていただこうではないですか。
  「労働なき富はいかん!」と某国首相がおっしゃられていましたが、職を探している沢山の友人の経歴書を抱えている小企業の一マネージャーである私の方が説得力あると思うのですがどうだろうか?(笑)

 そうそう、このコラムを書かせてもらっている会社、【人材バンクネット】はたしか「転職情報サイト」でしたよね。
少しずつ景気が回復しているとはいえ、雇用は未だ厳しい昨今。【人材バンクネット】さん、今こそ活躍時ですよ。是非バーチャルな仕事から本当の仕事に労働をシフトさせる担い手となって下さい。そして僕の知り合いみたいに苦しんでいる人達を助けてあげてください。

たっ・・・他力本願?

(2010.2.8)

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