政府がデフレ宣言をしたりすると、ニュースはこぞって牛丼の値段とかジーンズの値段を取り上げたりしておりますが、IT業界に身を置く私は牛丼の値段より仕事の値段の見事なデフレっぷりに辟易としている今日この頃です。
私の会社は基本的に一括契約でお仕事を請けている会社で、かつ又ちょっとオフショア(国外で開発)する事ができない仕事などもけっこう多いので、メインの仕事はそれほど価格下落を起こしていないのですが(それでもここ数ヶ月で10%ぐらい下がったかな)、一般企業の業務アプリケーションなどを請け負って開発している会社の方とお話していると、
「契約を締結できる見積額が軒並み30%ダウンしてしまって働いても儲からない。」
という話題に終始したりしております。
世の中が不況になると企業の情報化への投資意欲はどんどん減退してコンピューターシステムにお金をかけなくなってきます。(今がまさにその状態ですね)
でも、1980年代後半に通産省なんかが“SEは○○万人不足する!”なんていう政策キャンペーンを展開したり(今となってはまったく馬鹿げたキャンペーンだ)、ITはきらびやかな業界だブーム(なんかドラマの主人公とかになってたのもいい思い出)などがあったせいか、IT業界に所属するエンジニアというのはそれなりの人数いたりするわけです。
というわけで、少ない仕事に対して大量のIT企業が受注活動を繰り広げるわけでおのずと値段の叩き合いというダンピング合戦になってしまい、発注側も
「おっそんな値段でできるの?」
とますます値段が下がるという悪循環で、仕事によっては
「何これ?大学生のバイト代?」
みたいな金額のお仕事もあったりします。
それでも社員をたくさん抱えておられる会社なんかは
「遊んでいるよりましだから・・・」
と二束三文の仕事でも請け負ってるのが現状ではないでしょうか?
けっこうな社員数を抱えてる独立系のSIer(システムインテグレータ)なんかは、仕事がない社員に休業してもらって補助金を貰い、それでも間に合わずリストラし、年末の賞与は寸志とか酷いところは賞与なしなんていう話もよく聞きます。
逆に、仕事がある時は別の企業からエンジニアを調達して仕事を請け負うようなリスク回避型の少人数の会社は、今度は二重派遣とか偽造請負とかのコンプライアンス関係の壁に苦労して人が集められず、なかなか仕事に着手できないという苦労もあるようです。
まさにデフレとコンプライアンスの板ばさみ。
これを
・世の中の流れだから仕方がない
・そうやって淘汰され、より健全な産業となる
なんていう知った風な発言で見過ごすのはあまり好きじゃありません。
IT産業はこれからの花形産業だと持ち上げて人を集めて、問題が発生したら色々なルールで縛って身動き取れなくして、これが時代の流れだと分析して、はいおしまい。
青臭いこと言いますが、ここに
・技術者を育てる。
・職人を育てる。
という愛がございません。
なんだかお金ベースで世の中のトレンドが上下し、そしてそれに一喜一憂する(まあそれが資本主義の経済活動というものなのかもしれませんが)という事がより色濃くなっているような気がする今の世の中。
もう少し、人としての尊厳とか安らぎといったものに目をむけるような社会に時代を逆行させてもいいのではないのかなと思いながら、バタバタとした師走を過ごすひげぱわーなのでした。
・・・・
って、
「だからその解決策ないのか!?」
ってツッコミきそうな文章ですね。
師走だから忙しいのですという理由で勘弁して下さい。
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