工業用資材メーカーの営業を経て、派遣社員として大手コンピューター会社の子会社に入社した川上祐輔さん(仮名)。バイヤーとして、製造に必要な原材料や部品・資材などの購入計画、発注、支払確認といった一連の購買業務を担当し、仕事を覚えた。
この会社は権限委譲が進んでおり、たとえ派遣社員であっても1000万円単位の発注を自分自身の判断で決めることができた。川上さんは大いに努力し、コスト削減や業務改善の結果を残した。
その後、同じく派遣社員として自動車メーカーへ。ここでの担当も購買業務だったが、前の会社とは勝手が違っていた。
|
※写真はイメージです |
「若手社員をはじめ、経験の少ない者には会議での発言権すらないという雰囲気でした。購買業務の担当でしたが、私の判断で発注できるものは何一つありませんでした」
何かを決めるにはいちいち上司の許可を取らねばならず(※1)、その必要性は理解しているものの、あまりにもまどろっこしく感じた。これまで権限委譲が進んでいる外資系企業の風土に慣れてきた川上さんだけに、「やはり日本の企業は合わないのかも」と4カ月でこの職場を離れた。
そして2002年4月、電気機器メーカーに正社員として転職。ある程度の権限が与えられ、自分の裁量で仕事を進めることができる外資系企業を選んだ(※2)。実は川上さんは、このとき初めて【人材バンクネット】を利用している。
「まだ実務経験が少なかったので、転職先探しには苦労しましたね。履歴書に何を書いたらいいのか、何をアピールすればいいのか、とても悩んだことを覚えています。だから転職が決まったとき、これからは困難な仕事にも挑戦してスキルアップしていこうと決めました」 |