「実は東京での部屋探しや引越しには、原田さんが相談に乗って下さったんですよ。通勤に使う電車はどの路線がいいかとか、職場から電車1本で通いたいならこのあたりに住んだ方がいいとかね。家探しはどうしようと内心思っていたので、本当に助かりました。原田さんとは、仕事が決まってから2、3回お会いしましたが、仕事を探している時よりもたくさん会っていましたね(笑)」
無事引越しもすませ、新しい会社に入社して約5カ月。現在は企業向け検索エンジンの開発業務に携わっている。日米合弁企業ということもあるが、同僚にはインド人やラオス人など外国人が多く、事前に聞いていた通り、職場には英語が飛び交い、以前とは比べ物にならないほど英語を使う毎日だ。もちろん、システムエンジニアとしての業務にも専念できている。
「今のところ、同じフロアの人としか話す機会はないのですが、友達もできて徐々にこちらの生活に慣れているという感じです。新しいことをどんどん覚えられる仕事にも不満はありません。それに、原田さんの交渉で年収も上がったんですよ。転職して本当によかったと思いますね」
現在SEとして働いているが、将来は、プロジェクトマネージャーとして人材や予算などの管理に携わるよりは、技術者としての能力を磨いていきたいという。
「人材管理にはあんまり向いていないと思うんです。だから余計に技術者としてさまざまな資格取得に燃えているともいえるかもしれませんね。自分という商品の値段は、買う側(企業側)ではなく、売る側(自分自身)が決めることが大切だと思っているんです。選ばれるよりは、選びたい。それが私の理想ですね」
「しばらく使っていなかったせいで、なまってしまった英語の能力を取り戻す(※6)のが、現在最優先の目標。日本で働く限り、英語ができれば、さらに質と報酬の良い仕事に就ける確率が高いので、頑張らないと……」。
では、将来また転職することも視野にいれているのだろうか。
「その可能性もあると思っています。僕にとっての転職は『仕事』を変えるんじゃなくて、『職場』を変えるだけですから。自分という『商品』を会社に売るのが転職。よりよい仕事と収入を求めるのは当然のことだと思ってますから。ただ、今よりもステップアップや収入アップを目指して転職をするのなら、自分自身の商品価値を高める努力は必要。自分の商品価値や存在価値がないと、会社にはいられないと思うんです」
そう熱っぽく話す林さんは現在、仕事の傍ら、XMLマスターやMCSE、CCNAなどの資格取得も目指し、その言葉通り、自分の商品価値向上に余念がない。
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