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自動車・住宅業界で活躍した伝説のトップ営業マンが自身の経験をもとに"売れる営業"の極意を伝授。営業スキル・思考法から転職活動のヒントまで、新時代の営業マンに求められる条件・成功テクニックをお伝えします |
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第2回 弱点を長所に変える発想法
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自動車での営業時代、私は13年間、飛び込みでの新規開拓を続けました。これにより飛び込み営業にはある程度自信がつきましたが、だからといって大量飛び込み営業が本当に好きだったわけではありません。やらなくてもいいのであれば、「やりたくなかった」というのがホンネです。私の飛び込み営業は毎日100件の飛び込みができるモーレツ営業マンから見れば二流と言われるものでした。
しかし今思うと飛び込み営業をしていてよかったと思います。営業の基本能力が身につき、住宅業界に転職後のモデルハウス営業に活かすことができたからです。飛び込み営業は、訪問しても断りの連続ですが、断られるのが苦手な私は、「断られないトーク」を考えました。また、忙しいときに訪問したら「お客様に迷惑ではないか」と気にする性格でしたが、これを気が弱いと考えないでお客様の気持ちを想像できるセンサーが鋭いとプラスに解釈しました。
人にはそれぞれ弱点がありますが、それを弱点としてとらえると自信をなくしてしまいます。そこで弱点を長所に生まれ変わらせる発想の転換がポイントです。また飛び込み営業の経験が、住宅業界のモデルハウス営業での最後の粘りや、感謝の気持ちを芽生えさせる原点にもなりました。
例えば、台風や気象条件の悪い日に飛び込みをすることを考えれば、雨の日でも冷暖房のきいた部屋の中で仕事ができる環境に感謝でき、さらには来場してくれるお客様に感謝の心がもてるのです。これはモデルハウス営業の環境しか知らない同僚の営業マンに比べ、大きな自信と強みになりました。
話が前後しますが、転職直後に私の前に大きな壁が立ちはだかりました。それは、住宅会社へ入社した1ヶ月目にクルマの営業のやり方がまったく通用せず、1件の見込み客も契約もできず精神的に窮地に追い込まれました。その時に私を支えてくれたのが「クルマ業界で立派に営業をやってきたではないか」という自信です。
「クルマの営業では日中は家にいる高齢者や女性と話す機会が多かった」 |
「自分は女性、高齢者に好かれ話し方ができたではないか」 |
この強みをモデルハウスの接客に活かすことができました。
さらに、クルマ営業のときはお客様の心理を研究し、お客様に喜ばれる「トーク」を話し心配りができたという自信です。そこで、ご家族で来場したお客様には特に高齢者、奥様に話しかけ、細心の気配りの営業を心掛けました。
営業転職で成功するためには自信をもってやれるか、自信がなくてやるか。この差は非常に大きいのです。
今日のまとめ
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営業経験を次の職場で活かすには細かいスキルに分解して自信を持つ
- 営業職の経験に無駄なものはひとつもない
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岡田
和芳 (おかだ かずよし)
営業ドットコムファーム代表。キャリアカウンセラー、営業講師、ビジネス作家。事務系から営業職へ転身後、自動車業界で1000台を突破、クルマセールスから異業種の住宅営業に挑戦。住宅業界の居並ぶトップ営業マンの二倍の売上"11年間で85億、二倍の粗利益22億"を達成。営業転職の成功伝説をつくる。著書の「契約力」(すばる舎)と「突然、『営業マン』になった人が読む本」(大和出版)が好評。現在、営業ドットコム(http://www.A-gyo.com/)より「稼げる営業スキル」を無料配信中。 |
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2003.09.23 update
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