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キャリレボ
自分のキャリアで迷ったり、煮詰まったり、悩んだりと壁にぶつかっているなと感じたときは、もしかしたら自分の判断基準や価値観を、一度、疑ってみることが必要かもしれない。壁を乗り越えるとは、それまでの自分を乗り越えるということだから。日々の小さな自分レボリューションで明日をつくろう

面接だって出会いの場。心と心を通わせよう
 人を採用するときに多くの企業が、書類選考→1次面接→2次面接……というプロセスで求職者を"選考"しているのだけれど、「行きたい会社に入るには、書類と面接を突破しなくてはならない」と意気込みすぎると、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがある。

 以前、転職活動で苦戦したことのあるAさんは、とにかく「自分をアピールすること」に命を掛けていた。担当したプロジェクトと担当領域をびっしりと書き込んだ職務経歴書を用意して、ジャンジャン応募したところ、わりといい確率で面接まで進めたのだが、どうにも内定が出ずに苦しんでいた。

 「この何年かで、かなりしっかりと経験を積んだはずなのになぜだろう? きっとアピールが足りていないに違いない」。面接で「あれもできます、これもできます。こんなこともやってきました」と自分の性能を必死で語ってみたのだが、どうにもうまくいかなかった。

いいところだけを見せようと、厚い鎧を着ていませんか?

 ご縁がありませんでした通知」を手にした分だけ、厚い鎧を着込んでしまうのかもしれない。面接というものは、「あれが足りない、これが足りない」とマイナス評価方式で人を見定める場なのではないかと思い込んでしまうと、足りない点を突かれないようにとの防衛本能が働く。場合によっては、アピールしているつもりが、攻撃的な人だとの印象を与えることもある。

これらは"選考される"という意識から、端を発しているのである。

 ちょっと肩の力を抜いてみると、面接だって出会いの場。初対面の人同士が集まる場——異業種交流会や知人の結婚式の2次会、合コンなどなど——をイメージしてほしい。そこで出会った人と付き合いが続くケースってどんなときだろう。何らかの共通点を見つけたり、心を通わせた人とは、「また会いたいな」と思うのではないだろうか。

 面接の場での共通点とは、仕事をしていくうえでのスキル、能力、経験だけのことではない。「こんな思いで仕事をしてきた」「この仕事にこんな情熱を傾けている」とハートを伝え、面接官との間で心を通わせることもある。あなたの話す苦労話の中に、思いの中に、こだわりの中に、もしかしたらふと見せた笑顔の中に心を通わせるきっかけがあるかもしれない。それが「一緒に働きたいな」へと変わっても、不思議なことではない。

 痛いところを突かれたくないと鎧を着ている限り、心を通わせることは難しい。選考する側、される側との考えをいったん捨てて、たまには「いい出会いをしに行こう」と面接に臨んでみたら、いかがだろうか。


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文/中村 陽子(編集部)
デザイン/東 聖子(編集部)

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