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自分のキャリアで迷ったり、煮詰まったり、悩んだりと壁にぶつかっているなと感じたときは、もしかしたら自分の判断基準や価値観を、一度、疑ってみることが必要かもしれない。壁を乗り越えるとは、それまでの自分を乗り越えるということだから。日々の小さな自分レボリューションで明日をつくろう

すっごいビジョンがなくたって、焦る必要なんてない!
 「世の中にもっとインパクトを与える価値を生み出せる人になりたい!」とか、「いろんな人にこれがあってよかったと思ってもらえることに関わりたい!」などなど、成し遂げたいことのイメージはあるものの、「具体的に何?」と聞かれると、むむむ……と答えに窮してしまうことって、ないだろうか。

 で、世の中で取り上げられる「28歳なのにこんなに凄い人」などの話を聞くにつけ、自分の今を「こんなんじゃダメだ」と否定したくなる。もちろん「凄い人」の話から「もっと頑張らないと」と刺激を受けることはOKだ。しかし、今の自分を否定して、凄い人のキャリアやポジションに焦りをともなう憧れを抱くのは、やめたほうがいいかもしれない。

「人よりちょっといい○○」に惑わされると、コピー人生になることも

 焦りをともなう憧れは、下手をすると「コピー人生を生きる」ことに繋がってしまうからだ。「世の中で評価されている凄い人みたいになりたい」の中身をよーく考えてみると、「世の中で評価されたい」「人よりちょっといいキャリア・生活・人生」願望のほかは空虚だったりしないだろうか。憧れの凄い人のやっている仕事、価値観、世の中に生み出しているものを、あなたは心から「いい」と感じたうえで「なりたい」と思っているのとは、ちょっと違わないだろうか。

 「人よりちょっといい」願望は、きっと誰にでもあるものだし、実際に抜きん出られたらちょっといい気分かもしれない。しかし、そこを拠り所に努力して、それなりのポジションに就いたその裏で、「本当はこの仕事、自分には向いていない。毎日が辛い。でも、降りるに降りられない」との思いを抱えている人もいる。ただの憧れからコピー人生を生きたって、納得する人生を送れる確率は、高くない。

 もし自分の中にある「焦りをともなう憧れ」に気付いたなら、一度、自分を見つめ直してみることだ。「どんなことだったら、自然と力が沸いてくるんだっけ?」「自然とアイデアが出てくるのって、どんなときだっけ」。

 これまでやってきたことや今生きている時間の中にこそ、自分を生かす芽は存在する。目の前にあることに真剣に身を投じているうちに、ふと「あ、これだ!」と思える何か——世の中に生み出したいテーマ、人の役に立ちそうなサービス、ぜひサポートしたいと思える人に出会うもの。世の中の凄い人だって、どこかの時点で「あ、これ!」と思える何かに出会って身を投じただけで、最初から「成功するはず」なんて確信はなかったに違いない。そうなのだ。凄いといわれるようになったのはただの結果。

 焦る必要なんて、どこにもない。やりたいことが具体的に見えていなくたってかまわない。今いる場で打ち込んでいるうちに、「これだ!」に出会える日はやってくる。

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文/中村 陽子(編集部)
デザイン/東 聖子(編集部)

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