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自分のキャリアで迷ったり、煮詰まったり、悩んだりと壁にぶつかっているなと感じたときは、もしかしたら自分の判断基準や価値観を、一度、疑ってみることが必要かもしれない。壁を乗り越えるとは、それまでの自分を乗り越えるということだから。日々の小さな自分レボリューションで明日をつくろう

チャンスをものにできる人、できない人
 会社員をしていると、予想外のことが降りかかってくることがある。キャリアに関していえば、異動。「やったぁ!」と喜べることもあれば、「どうして自分が」と希望にそぐわないこともある。両者を比べた場合、「やったぁ!」と思える異動をしたときのほうがモチベーション高く、バリバリ仕事をしていけそうな気がするが、うれしく感じる異動もそうでない異動もその後を決めるのは、腹の括り方なのではないだろうか。

 なんとなく仕事にマンネリ感を覚えていたAさんは、ある部署に異動することになった。「今いる部署より面白そうだ」と内心わくわくしながら新しい部署に移った。人間関係もよく最初のころは刺激を感じていたが半年も経ち仕事のサイクルが身に付いてきたころには、「面倒くさい仕事が多いなあ。それにパターン化されてるし。思ったほど面白くなかった」と当初のモチベーションを保てず次第に手を抜き始めるようになり、こんな言葉を呟くようになった。「しょせんこの会社には、自分のやりたいことなんてないんだよね」。

 一方Bさんは、会社の中でも一番ハードワークでみんなが行きたがらないシビアな部署に異動を命じられた。それまでも目立たないながら確実な仕事をしてきたBさんに「あいつなら、ここでもやっていけるのではないか」と白羽の矢が立ったのだ。「本当に自分はそこでやっていけるのだろうか」と不安に思った。会社からの命令だけに、NOとはいえない。「こいつは使い物にならないとの評価が下されたら、辞めよう」との強烈な危機感を抱き、腹をくくって異動した。

自分自身への厳しさなしでは、納得のキャリアは築けない

 Bさんは異動後、「今自分は試されている」との意識を常に持ち、持てる力をフル稼働して仕事に臨んだ。半年後には「やっぱりあいつは力のあるヤツだったんだ」との評価を他の部署の社員からもされるようになった。今、マネジャーとしてその部署を支える一翼を担っている。

 AさんとBさんの一番の違いは「自分自身への厳しさの度合い」である。そのときできることを着実に、決して手を抜くことなくやり続けられるかどうかが、その後を大きく変えるのだ。きっと手を抜き出した瞬間に、仕事はつまらなくなるものなのだ。成長も止まるし、チャンスなど回ってくるはずもない。

「自分のキャリアは自分で築く」という言葉。響きはいいがきっと甘いものではない。一つひとつの仕事で「こんなんじゃ、まだまだダメだ。もっとよくすることができるんじゃないか」と簡単にはOKを出さない姿勢——自己との闘いを日々続けることの中にしか、存在しないものなのではないだろうか


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文/中村 陽子(編集部)
デザイン/東 聖子(編集部)

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