キャリア&転職研究室|あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意|第1回「世の中の基準」でキャリアを…

TOP の中の転職研究室 の中のあの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意 の中の第1回「世の中の基準」でキャリアを考えていませんか?[講師:キャメル・ヤマモト氏]

あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意
第1回 幸せに稼ぐ人になるためのヒント 「世の中の基準」で キャリアを考えていませんか?
キャリアについて考えている人に読んで欲しい一冊を書いたあの人に聞く
キャリアの極意。 第1回は、『「クビ!」になる人の共通点』の著者キャメル・ヤマモト氏。
「幸せに」+「稼ぐ人」になるための講義のスタートです
キャメル・ヤマモト氏
「幸せに稼ぐ人」になる出発点が、余る人
 
—— キャメルさんが生み出した言葉に「稼ぐ人」「安い人」「余る人」がありますが、できるだけ安い人になりたくないし、ましてや余る人になってる余裕なんてない。生活、かかってますから。でも、稼ぐ人になれそうな見込みは……かなり薄いのが現状なんです(泣)。
やりたいことに没頭してやりつづければ、お金はあとからついてくるというのが、僕の持論なんです。お金を稼げるかどうかはあくまで結果だから、そこを目的にするのではなく、「充実しているなあ」とか「世の中の役に立ててうれしいなあ」といった精神的な見返りも含めて「幸せに稼ぐ人」を提案したいと思っているんです。
—— ぜひ、ヒントをください。幸せに稼ぐ人になるためのヒントを。
そう焦らないでください。ちなみにヤンズさん、「余る人になりたくない」とおっしゃいますが、実は余る人になるのって悪いことじゃないんです。幸せに稼ぐ人になるためには、いったんは余る人にならないと始まらなかったりするんです。
  photo
儲ける部署にいる人ほど
余る人候補生?
 
余る人ってどんな人だと思います? 一流といわれている会社でエリートコースを歩んでいる人なら、余らない? 実は違うんです。強い企業の儲けている部署にいる人ほど、余る人候補生なんですよ。

強い企業の儲けている部署には、競合に勝つために磨き上げてきたノウハウや仕組みがしっかりある。「こうすれば勝てる、儲けられる」という仕組みを繰り返すことで業績を上げている。そんな場所に新しく入ったとする。きっと2年から5年くらいは、先輩のやり方を見習って覚えることや学ぶことがあるでしょう。でも気付くと怒られたり、あれこれ言われなくなる時期がくる。その頃には、ルーティン化された仕事サイクルにすっぽりはまって、業績は上がっているけれど自分の頭で考えていないのが当たり前になってしまっている。この思考停止状態に陥っちゃうことは、エリートサラリーマンの宿命だったりするんですけどね。

しかし、マーケットは変化する。成功を極めていた会社のある部署の業績の上げ方が、突然、マーケットに合わなくなって「余る会社、余る部署、余る人」になることがある。でもね、余ったときが最大のチャンスなんです。
ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指すのが
「幸せに稼ぐ人」の近道
 
photo  
—— 思い切って「もう、サラリーマンなんてやめちまえ!!!」と投げ出すチャンスってことですか?
いやいや、ちょっと違います。「ナンバーワンではなくオンリーワンを目指そう」と、発想転換するチャンスという意味ですよ。自分らしいオリジナルなやり方を見出し、磨きをかけて「あの人じゃないとできないことをやっていて、しかも輝いている」という状態を目指すわけです。

余る人になると、会社から「いらない人じるし」を押されるわけですから、ショックは大きい。でも同時に「うちの部署のやり方に従え」と、ひたすら拡大再生産しつづけなくちゃいけなかった環境から解き放たれる。「自分のやりたいことを考えて、やってみよう」と発想転換できれば、これほどのチャンスはないんですよ。
「世の中の基準」でキャリアを考えているうちは
「幸せに稼ぐ人」にはなれない
 
—— 自分らしい仕事をしてオンリーワンを築きたいと思う反面、「○○業界って調子よさそう。それに比べて今の私は……」とか「△△の職種って、これから先もニーズがありそうだなあ」とか気になっちゃうんです。
自分のキャリアは自分で築かなくてはという意識を持ちつつも、その「築く基準」を持っていない人、多いんじゃないのかな。「この仕事に就いたほうがよさそうだ」というのは、「世の中でいいといわれている基準」をもとに考えているわけですよね。でも世の中の基準で選ぶと、結局はキャリアの主導権を自分で握れなくなっちゃうんですよ。

例えば、MBAを取って一流といわれる企業の戦略部門で仕事するのが将来有望だと聞きつけて、なったとする。しかし「その仕事に就くこと」が目標なら、就いたとたんに目標達成ってことですよね。実際にその仕事をやってみたら、実は面白味を感じられず無理してつづけているということも少なくない。で、子どもができて家を買って……となると、その仕事から抜け出すことができなくなって嫌々ながらつづけるはめに。結果としてはあんまり幸せじゃあなかったりして。
—— そ、それは避けたい。
世の中でいいといわれている仕事に就きたいと思うことはかまわないけど、就いたあとに楽しいと思えるか、自分らしさを生み出していけそうかを、しっかり見ないとね。同じ仕事に就くにしても、「自分の基準で考えて」なら、自分らしいやり方を見出して仕事を組み立てていけるようになる。気付くと「他の人にはできないやりかた」で「楽しく生き生きと」仕事をしている自分になっている。そんな状態は幸せだしモチベーションも高いから、力をどんどん磨いていけて、結果、厳しい時代を楽しく勝ち残っていけるオンリーワンを築ける。

どんな仕事でも自分らしさにこだわってやっていくうちに、仕事(職務)に自分を合わせるのではなく、自分が仕事を作り出していけるようになる。こうなって初めて、キャリアの主導権を自分で握れるようになるわけです。

でもね、「自分の軸」や「自分らしさ」をはっきりさせることって、簡単ではないんです。
—— えっ? 簡単じゃないって言われても……。どうすれば見つかるか、教えてください!
じゃあ、次回は「自分の軸の見つけ方講座」にしましょう。それまでに、みなさん、「今、生き生き仕事できているかな?」と自分をちょっと振り返ってみてくださいね。
  photo
 
講師:キャメル・ヤマモト氏
東京生まれ。東京大学卒業後、外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアの各国に勤務した経験を持つ。その後外資系人事コンサルティング会社にキャリアチェンジ。現在、ワトソンワイアットにて人材・組織コンサルタント。シリコンバレー、東京、上海で主に人材・組織改革の面から多くの企業のコンサルティングをしてきた。現在は、上海と東京を行き交う日々を送っている
『クビ!になる人の共通点』
(キャメル・ヤマモト/幻冬舎)
 
実は「いったんは、余る人にならないと始まらない」という余る人賛歌本でもある。余る人が具体的な工夫次第で、クビを回避するだけでなく、幸せに稼ぐ人になれると説く。オンリーワンを築くための「自分の軸の見つけ方」も詳しく解説。「自分はまだ余っていない」という人も、キャリアについて考えたいなら一読の価値あり。
右:『稼ぐ人・安い人・余る人』 
左:『コツコツ働いても年収300万 好きな事だけして年収1000万』
(キャメル・ヤマモト/幻冬舎)
 
自分の軸がはっきりあり、「これを実現したい」との高い志を持つ人は、『稼ぐ人〜』がオススメ。ヤマモト氏がシリコンバレーにいた時期、多くの起業家たちに刺激を受け、事業を生み出すトップ人材になるための開発法を展開した一冊だ。
生徒:中村ヤンズ
「生活かかってますから」が口グセの34歳・女。
年収200万円台の癒し系な連れあいアリ。「そこそこ稼ぐ人にならねば」との使命感と「やりたいことだけ極める人生」への憧れとのハザマで揺れている。
キャメル・ヤマモト氏から学んだ胸に刻んでおきたい3つのこと
やりたいことをやりつづけていれば、お金はあとからついてくる
余る人になったときこそ、自分のやりたいことを考え実行するチャンス
世の中の基準でキャリアを考えても、幸せになれない

TOP の中の転職研究室 の中のあの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意 の中の第1回「世の中の基準」でキャリアを考えていませんか?[講師:キャメル・ヤマモト氏]