キャリア&転職研究室|あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意|第24回 成長とは今の自分を超える…

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あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意 あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意 Vol.24
自分らしく、働くために。仕事をおもしろくする方法
成長とは今の自分を超えること おもしろい仕事は自分の手でつかめ!
今の仕事がおもしろくないという人たちは、よく「毎日がいっぱいいっぱい」なんていう。だけど本当にいっぱいいっぱい? 限界を自分で決めて足踏みしていたらいつまで経っても成長できず、そこから抜けだせないぞ!
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佐藤 友美子氏
仕事をおもしろくするためのキーワード
「上司の視点」と「改善」
 
—— 「好きな仕事じゃなくても楽しんでやっている人がいる」ってことに目からウロコが一枚はがれたような気がするんですけど、でも正直、今の仕事を好きになるというか、楽しむために、具体的にどうすればいいかまではよく分からないんですよね。
S  

では市川さんは今、どんな感じで仕事をしてますか?

 
—— 上司から与えられた仕事をちゃんとこなしてるって感じですかね。でも量はけっこう多いし、僕的にはいっぱいいっぱいなんですよ。
 
S  

与えられた仕事をただやっているっていう段階だけで終わっていると、つらいだけでなかなかおもしろみは感じられないですよね。仕事を好きになる、おもしろいと思うには、仕事に本気で取り組んでみる必要があります。

—— いや、僕なりに本気で取り組んでいるつもりなんですが……。そもそも「本気で」って言われても具体的にはどうすればいいのかわかんないんですけど。
 
S  

なにも難しいことはありませんよ。ここでいう「本気」とは与えられた仕事をこなすだけではなく、自ら積極的に仕事に関わっていこうとする姿勢のことです。ちょっと工夫すればいいだけなんですよ。まず、視点をもう一段上にもってってみましょう。

—— 視点を上に?
 
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S  

そう。たとえば、上司に言われた事をそのとおりにやったとしても、それはあなたの視点からのパーフェクトであって、上司の立場からみると大抵80点くらいなんですよ。上司は言ったことをただ100%ではなくて、「プラスアルファ」をやってくれるっていうのを常に期待しているわけです。

だから、言われたことのみに留まっているとずーっと80点評価のまんま。「こいつはこんなもんか」と思われたら、難易度の高いやりがいのある仕事はやってきません。ずーっとおもしろくないまま、やることになります。すると、成長、スキルアップも望めません。もし自分が上司だったらという視点で仕事を見ると、これまで見えてこなかったものが見えてきて、「ああした方がいいかも」「こうした方がもっと会社としてよくなるかも」と気づいてくるんです。

 
—— なるほど。ひとつ上の視点で見るというのは、上司の立場に立って考えろということなんですね。
 
S  

そのとおりです。そしてコツがもうひとつ。「改善」という視点で仕事をもう一度見直してみるんです。これまでやってきた同じ業務でも、常に状況は変化するので、問題意識をもって見直してみれば、「こうすればもっとよくなる」という改善点は山のように見つかるはず。まずは、そういう改善点をひとつひとつ洗い出してみる。

で、最初は今日からでもできるような小さなことから変えていくんです。たとえば、ちょっとした挨拶、電話応対の仕方、上司への報告の仕方とか。いかに相手に気持ちよくなってもらうかを心がけるとか、テーマを決める。すると仕事の中に目的ができて、つまらないなんて言ってるひまはなくなります。ひとつひとつ「改善」できていく過程はとても楽しいですよ。

—— なるほど。改善ですか! それはこれまでの仕事の中になかった視点ですね。
 
S  

そうやって行動していけば上司は必ず気づきますから、評価も上がります。するともっとやりがいのある仕事を任されるようになる→同じように頑張る→認められてさらにやりがいのある仕事が……という好循環で、だんだんレベルが上がるにつれて仕事もおもしろくなります。やりがいのある仕事ほどおもしろいですからね。さらに難易度の高い仕事にチャレンジするに従って、スキルも磨かれるし、新しいスキルも身に付くかもしれません。そういった成長実感も仕事の大きな喜びですからね。

—— 確かに。今の仕事がおもしろくないと感じているのは成長実感がないからかもしれません。
 
S  

多くのビジネスパーソンが現状の職場で悩んでいるのはまさにそこなんです。でも視点をちょっと変えて本気で行動するだけで、何も新しいことをしようと思わなくても、これまでのルーティーン業務の中でも成長できる可能性はいくらでもあるんですよ。

成長は限界のその先にある
リスクを恐れずチャレンジすべし
 
—— なんか勇気が湧いてきました。でも不安もあります。今から急に「上司の目線」とか「改善」とか言って仕事のやり方を変えたら周りから叩かれそうだし、もし失敗したら……っていう不安があります。
 
S  

それは分かります。実際に私もそうでした。なにかアクションを起こせば必ず足を引っ張ろうとしてくる人はいます。でも本気で取り組むということは、こちらも何かしらの影響を受けるってことなんです。同じ仕事に関わる人からいろいろ言われることもあるでしょうし。会社というのはちょっと出たら叩く人は絶対にいますから、覚悟をしなきゃなんない。

でも、それを恐れていては成長への第一歩が踏み出せないんじゃないかと思いますね。別に失敗したっていいじゃないですか。そこから学ぶことも多いし、失敗が成長させてくれることも多々あります。

守りに入っていたらいつまでたってもそこで同じ思いをしているだけで終わっちゃいますよ。仕事をおもしろくしたいんだったら、やっぱり「この仕事は俺の仕事だ」って思って取り組まないとダメなんですよね。そもそも成長とは現在の自分を超えることですから、たいへんなことやつらいことはあって当然なんです。でもその先に行けば、より大きな喜びがあるんです。だから頑張れるんですね。

 
—— 確かにリスクはイヤだと思いますけど、でも僕はやっぱり一歩を踏み出したいです。
 
S  

その覚悟があるなら大丈夫ですよ。自分の仕事に本気で取り組むことのほかにも、もっと積極的に社内や社外の人と関わることも視野を広げる意味では効果的ですよ。社内でもデキると評判の人がいれば、その人の仕事をウォッチして話を聞いてみるとか、機会があれば飲みに行くというのも色々話しが聞けてよいですね。社内にいなかったら社外でもいいんです。そういう人の輪ができると仕事もますますおもしろくなるんですよ。

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仕事は自分ひとりでするものじゃない
仲間のことも考えよう
 
—— なるほど。仕事に興味がもてないのは、つまり僕自身がちゃんと仕事に関わろうとしていなかったっていうか、仕事そのものに対してすごく消極的だったっていうのが大きな原因の一つだったってことが分かりました。でも30を過ぎてからでも間に合うでしょうか?
S  

いや、これも発想の転換でね、30過ぎの年齢だからこそ逆にアドバンテージになることもあるんですよ。30過ぎると見えてくることも増えてるハズなんですよね。上の気持ちもわかるし下の気持ちもわかる。そういう面でなにか新たなチャンスを見い出していけるっていう可能性もあると思います。自分の周りにいっぱいチャンスがあるのにそれを見逃している、さらにそれに気づいていないことって、案外多いんですよ。

—— 確かに年齢なんか気にしてる場合じゃないですよね。この年齢ならではの強みを生かして頑張らないと。
S  

そうですよ。とにかく自分がやらなきゃ。これまでの取材で痛感してるのは、今の若手ビジネスパーソンで仕事がおもしろくないなんていってる人は、たいてい他人のせいにしてるってこと。大体、周りが悪い、自分を認めてくれないっていってる。

でも、じゃああなたは相手を認めようとしていますか? って問いたい。若い頃に上司に教わりましたが、やっぱりどんな仕事でもそれに関わる相手がいる。人間ってお互い感じあうものだから、自分がイヤイヤ仕事をしていれば、相手にも伝わります。逆に自分がおもしろいって思いながら仕事をしていけば、相手のモチベーションも上がってくる。

また、同僚でもなるべく相手の立場になって物事を考えるようにするとうまく行くんですね。たとえば、チームで仕事をする場合、同じチームの人が少しでも楽になれるように、ちょっと工夫して資料を整理してみようとか、そういう気持ちを持って接すると相手も助けてくれたりして、つらい仕事でも気持ちよくできるものです。

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—— つまり自分がされてうれしいことをすればいいってことなんですね。
 
S  

そのとおりです。自分が行動を変えたら相手も変ってくるんですよ。それも仕事をおもしろくするためのひとつの方法ですね。とにかく市川さんの仕事物語の主人公は市川さんご自身なんですから、できることはなんでも主体的にやっていきましょう。

 
—— 僕自身が主人公……。当たり前のことですが、改めて言われてみるとなんか、ちょっと違う可能性がみえてきたような気がします。
 
S  

おもしろいと思える仕事や、自分が成長するための仕事なんて、誰も用意してくれないから、やっぱり自分でつかみとるしかないんです。

 
 
講師:佐藤 友美子氏
サントリー次世代研究所部長

1975年立命館大学文学部を卒業、同年サントリー株式会社に入社。1989年サントリー不易流行研究所の設立メンバー、1998年3月より部長。サントリー不易流行研究所は2005年3月次世代研究所に名称変更。次世代が希望を持って幸せに生きていくための調査研究を行っている。

現在、国土交通省交通政策審議会委員、文部科学省中央教育審議会委員、国際日本文化研究センター客員教授など、各方面で活躍中だが、現在特に力を入れているのが若手起業支援の草分けNPO法人ETIC.とのコラボプロジェクト「Work-Life Innovators'」。「働くを取り戻せ」をスローガンに、若手起業家、社会人、学生が集まり、自分らしく豊かに働くために、新しい働き方を創っていくことに挑むプロジェクト。
佐藤氏のメッセージはこちら
・サントリー次世代研究所の「Work-Life Innovators'」に関するページはこちら

この本がおすすめ!
『偶キャリ。』(所由紀/経済界)
『U35世代 僕と仕事のビミョーな関係』
(サントリー次世代研究所/日本経済新聞社)
 
35歳以下のいわゆるサラリーマン18名を直撃インタビュー。仕事や生き方に対する考え方、その人各々の様々な悩みや漠然とした不安などがリアルな言葉でつづられている。ただ、この本の中には「アドバイス」や「指導」といったような説教臭さは全くない。もちろん答えもない。あくまで等身大にナマの声が淡々と連なっている。しか悩みながら、同時代を生きる同世代の、悩みながら、試行錯誤を繰り返しながら今日を働く人びとのナマの声を知ることは、明日への何かにつながるはずだ。ナマ共感できたり、あるいは疑問が更に生じるかもしれないが、いろんな意味で今の自分と向き合い、もう一度原点にかえって自分を見つめなおすことができる一冊。
生徒:市川健太
32歳。中堅会社の総務職。大学卒業後、第一志望だった会社に採用されず今の会社に就職。実家から通える範囲の会社に就職したため、一人暮らしの経験もない。今の仕事はスタートから妥協だった、という意識が強く、なんとなく続けてはいるけれど全くおもしろみを感じられない。このまま続けていいのかどうか、という漠然とした迷いはあるが、年齢的にヤバいのではないかと焦りつつも具体的にどう動いて良いかわからなくて悶々とした日々を送っている。
photo 佐藤友美子氏から学んだ胸に刻んでおきたい3つのこと
1
"自分の"仕事として本気で関わるべし
2
ひとつ上の視点で仕事を見てみよう
3
自分が変われば相手も変わる

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