メイテックグループのノウハウを有効に活用

「写真撮られながらインタビューを受けるって恥ずかしいですね」と言って緊張気味だったのは、今回取材に応じていただいたコンサルタントの河辺さんと八木さん。しかしインタビューが始まると表情が一転、エンジニアの転職支援について熱く語ってくれました。

――メイテックが設立した人材紹介会社と聞きましたが。

「弊社は技術者派遣のリーディングカンパニーであるメイテック100%出資の人材紹介会社として2006年に設立されました。製造業でのエンジニアの求人ニーズが高く、人材の流動化により人が企業を選ぶ時代になり、求職者を支援していきたいという考えから設立しました」（河辺さん）

――どういった点でメイテックグループのノウハウを活かしていますか？

「メイテックグループのデータベースを利用したキャリアのアドバイスとグループで取引のある企業からの求人案件の依頼がたくさんある点ではないでしょうか。メイテックグループには7,000名を超えるエンジニア社員が在籍しており、エンジニアのキャリアをデータベース化しています。そのノウハウを生かし、そのデータベースとあなたのスキルを照合させ、今後のキャリアアップについてアドバイスしたり、求人案件の紹介を行なっています。また、4,000社以上の製造業各社と取引実績のあるメイテックグループの営業チャネルを活用し、日々求人案件を開拓しています。将来はメイテックグループが持つエンジニアの研修ノウハウを導入し、求職者に受講していただき、教育と転職の両面でキャリアアップを支援していきたいと考えています」（河辺さん）

――設立して２年弱ですが、技術者派遣のメイテックグループの人材紹介会社ということで、その強みを最大限に活かせるので、期待できそうですね。

製造業のエンジニアに特化した豊富な求人案件数

ここからは、メイテック出身のコンサルタント八木さんにお話を伺ってみました。

――エンジニアに特化した人材紹介会社ということですが、どういう業界・職種に強いのでしょうか。

「機械・自動車をはじめ電気・電子、半導体、プラント、ＩＴにいたるまで、すべてのエンジニアの転職をサポートしています。職種は多種多様で、製品企画、研究・開発、回路設計、制御設計、プラント設計、実験・評価・解析、生産管理、生産技術、品質管理・品質保証、セールスエンジニア、FAE、サポートエンジニアなど製造業全般のエンジニアのポジションでご紹介が可能です」（八木さん）

――エンジニアの求人案件が豊富な理由を教えてください。

「一つは先程も申し上げましたが、メイテックグループからの紹介です。メイテックは企業の設計・開発を担う技術者を派遣しており、知名度の高い企業との太いパイプがあり、エンジニアの採用で声をよくかけていただいております。もう一つは、営業担当は企業との折衝業務だけでなく、求人案件の開拓に日々動いており、こちらも大手と中小企業で幅広く案件の依頼をいただいております。また、求職者から問い合わせを受けた企業については営業が企業側に求人案件の有無を確認し、ご紹介する場合もあります」（八木さん）

――人材紹介会社を選ぶ上で重要な点に求人案件をどのくらい持っているかが重要。その点、同社は、大手から中小企業まで幅広く揃えているので、自分の経歴と希望に合わせた求人を紹介してくれそうだ。

エンジニアの視点に立ったカウンセリング

――求職者との面談前に担当のコンサルタントが電話で話しをされるそうですね。

「はい、エンジニアの方も忙しい合間を縫っていらっしゃるので、求職者にとって、いろいろな意味で有意義な面談にしなければなりません。そのため事前に、転職理由や希望する業務内容、勤務地、年収など一通りをお聞きしておきます。ご希望の求人のご紹介はもちろん、今まで面談した求職者のケースと照らし合わせて、様々なキャリアの方向性を予見し、提案するための準備を行っています」（八木さん）

――カウンセリングで大切にしていることはありますか。

「本人の意向を重視してお話を聞くようにしています。例えば、中流工程から上流工程の開発に携わっていきたいとか、自分の設計・開発した製品を目に見える形で市場に出る製品に携わりたいなど、技術の追求や職務内容の話には時間をかけてお聞きしています。また、求人案件の紹介時にはエンジニアの視点でご紹介するように心がけています。例えば、誰もが知っている大手企業が希望する事業領域での求人案件があったとしても、経営も安定し、求人案件があるというと理由だけではご紹介しておりません。エンジニア本人の意向を考慮すると、知名度の低い中小企業の方が、工程が細かく分けられている大手より希望する業務ができる場合もあり、このエンジニアの視点を忘れないでご提案するようにしています。弊社のコンサルタントは、エンジニア出身者、エンジニアのサポートをしてきた人材紹介会社出身者、メイテック出身者とエンジニアの視点を理解しているメンバーがアドバイスしているので、エンジニアの視点でサポートができると自負しております」（八木さん）

エンジニアに合わせた職務経歴書のカスタマイズ

――面談時に職務経歴書のカスタマイズをしているようですが、どんなアドバイスをしているのでしょうか？

「まずは、レイアウトと記載されている項目に注目していきます。一番見やすいレイアウトは、表を使い、時系列毎に記載することをお勧めしています。また、記載する項目ですが、何の製品の仕事を担当し、役割や自分の担当フェーズなどを記載するようにアドバイスしています」（八木さん）

「次に、アピールすべき重要な部分が記載されているかを確認し、なければ記載するようにお願いしています。例えば、営業と一緒に顧客先まで行って要件定義を行っているのに、機械設計としか記載されていなかったりします。そうすると書類選考が通らない可能性があります。この点は我々とのキャリアの棚卸しの中で、明確化することが充分に可能です。 あとは、企業によって職種の呼称が違うので、統一するようにアドバイスしています。例えば、生産技術の職種が求職者の企業では、製造技術と呼ばれていたりすると、言い方を変えてもらうことで、どこの企業の人が見ても、業務内容がイメージしやすくなるので、書類選考の通過率も上がっていきます」（八木さん）

――アピールすべき重要な部分は転職をしたことがない人ほど、見逃しやすいもの。コンサルタントに確認をしてもらうことは重要だと思いました。職種名の言い方を統一するのも製造業のエンジニアに特化しているからこそできるアドバイスではないでしょうか。

緊張感を持った本番さながらの面接対策

――面接対策にも力を入れているそうですね。

「そうですね。弊社は力を入れている方だと思います。模擬面接では、面接官役は別のコンサルタントが担当することで緊張感を持たせています。面接のポイントとしてまず、職務内容の説明がコンパクトかつ要点を外していないのかを確認していきます。次に転職理由、志望動機としっかりリンクしているのか、矛盾が感じられないかを見ていきます。ただ面接するのではなく、答えが明確ではない時はその内容を掘り下げていき、求職者と面接官もその転職における納得感をどこに置いているのかを言語化できるような面接対策を行なっています」（八木さん）

――調査隊も模擬面接を受けたましたが、別のコンサルタントが担当すると、本番に近い形で、緊張感も全く違ったものになります。また、同時にアドバイスも受けられるので、面接に自信のない人や初めての転職する方は受けておくといいですね。

同社の強み