今回の調査対象社
株式会社アクトエンジニアリング
今回潜入した株式会社アクトエンジニアリングは「鹿島」グループの総合人材ビジネス企業「アクト」より人材紹介部門だけが独立した人材紹介会社。“建設WALKER”という独自の媒体を持つ、言うなれば“建設業界専門部隊”なのです。とくにコンサルタントは建設現場での実務経験者ばかりで、とにかく頼もしいかぎり。
株式会社アクトエンジニアリング 本社
〒107-0052 東京都 港区赤坂3-8-15 THE AKASAKA 4F[Map]
【交通】■赤坂見附駅 地下鉄/丸ノ内線・銀座線 徒歩3分 ■永田町駅 地下鉄/有楽町線・半蔵門線・南北線 7番出口徒歩7分
建設業界に特化、実務経験者だから話が早い
株式会社アクトエンジニアリングのエントランスにて、調査隊が到着した旨を伝えると、すぐに紹介事業本部の今村プロデューサーが出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。お待たせしました」
応接室へ案内していただき、さっそく話をうかがいます。
――建設と不動産に特化した人材紹介会社と聞いて“珍しい”という印象を持ったのですが、こちらのことを詳しく教えていただけますか。
「おっしゃる通り、当社は建設と不動産に関することしかやっていません。そして特徴は自社媒体“建設WALKER”を持っている、ということですね。こちらに来られる方はもともと業界にいる人で経験者がほとんどです。企業が求めているのもほとんどがプロで、何らかの経験を必要としています」
――建設WALKERを拝見して、掲載されている情報が専門的なことに驚きました。ベテラン建設業界人の転職にも対応できる実力を感じます。やはりコンサルタントのみなさんも建設の勉強をされた方々なのですか。
「ほとんどのコンサルタントは現場の経験者であり、建設業界に精通しています。登録者の書類を見ればその方がドコでどんな仕事をしてきたのかスグにわかるくらいですから。面談はその経歴が正しいかどうか確認をするためのもの。一般的なカウンセリングの場合、ヒアリングにものすごく時間をかけますが、当社では見極めが早いのでムダに時間がかからないというメリットがあります」
――なるほど、働きながら転職活動されている方にとって余計な手間と時間がかからないのはうれしいですね。
「それは転職希望者に対してだけでなく、求人されている企業に対しても同じことが言えます。つまり“御社はこういう仕事をされているから、こういう人が欲しいんじゃないですか”といったピンポイントな提案ができるんです。こういうやり方は(現場の仕事をはじめ、建設業界の)経験のある人でなければわかりません」
――面接が決まった場合、どのような助言がいただけるのでしょう。
「“この企業はココを求めてくるからうまく答えてね”といった感じに、面接のツボを含めて、必要な情報はすべてお伝えします。ただ、面接用に準備したことにプラスして、転職希望者の実績と“素”の部分を出して誠実さを感じてもらえるようにアドバイスしています。やはりマニュアルっぽいことを話すより、今までやってきたことに関して自信を持って話す方が結果的に良いのです。建設現場は実際に手を動かす職人さんがいてこそ成り立つ世界ですから、書類だけ出して作業が進むような状況ではありません。気持ちが重視される職人の世界と言っていいのです。新しい現場へ行って、職人さんから『しょうがないな、オマエの頼みだったらやってやるよ』と言われるような人柄が理想ですね。もっとも、この話は面談に来られる方のほとんどは分かっているので、あらためて話したりしませんが(笑)」(今村プロデューサー)
「建設WALKER」は業界で働くための情報満載!
――まさに特化された人材紹介会社なんですね。
「例えば“現場監督”と一言で言っても様々な種類があるんです。どの現場でどんな仕事の内容かによって、必要な能力が変わってきますし、能力や資格があってもその現場に“合う合わない”がありますから。そんなことも我々であれば瞬時にわかるんです」
――活用されている建設WALKERはユニークなWeb媒体ですね。
「おかげさまで建設技術者であれば知っている、という存在になってきました。現在、約7万人のデータベースを保有しています。エンジニアは話し下手な人が多いし、なかなかアクティブに動かない人が多いんです。でも、会って話せばわかりますが、悩みはあるし仕事を探してもいる。そんな転職希望者のリアルなサポートができる媒体じゃないでしょうか」
――専門的な知識が必要なジャンルですから、運営面でも専門知識のあるライターを起用するなど、大変な面があるように感じますが。
「我々コンサルタントも建築WALKERの原稿を書くんですが、独特の業界ルールがあるから難しいんです。見てる人が設計技師や現場監督なので、素人みたいなことを書くと信用されませんから(笑)」
来てもらわずに会いに行く
「先程も言いましたが、転職希望者が多忙な場合は当社まで来ていただくのではなく、コンサルタントの我々が出向くんです。面談依頼を受けた転職希望者の半数以上は会いに行きますね。例えば現場で働いている場合は、そこが終わってから近所で会ったりします。女性の場合は来ていただいて面談します」
――それは忙しい方にとってうれしいですね。
「まさに建設WALKERの特徴が、サイトなのに実際に“会う”といったリアルな動きがあることなんです。現在、建設業界の様々な情報が集約され、働く人の情報も集まってコミュニティとしても機能していますから、これを活用しない手はないでしょう」
採用コンサルタント 長沼智晴氏
私はコンサルタントとしての経歴は浅いのですが、現場をはじめゼネコンや発注者側など建設業界の様々な仕事を経験しているので、そのキャリアを生かしてご提案しています。どの職場にはどんな人材がどんな内容の仕事をしているか……そういったことはある程度わかります。転職を希望される方の状況も、書類を拝見して話をうかがうことで把握でき、それをベースに今ある案件からベストなものを探し出します。いつも私自身が転職活動をしているつもりでカウンセリングしていますので、現実的な活動計画が組めると自負しています。ご存知のように、現在は企業側も経験のある人を積極的に採用しています。業界的に厳しい面も多いですが、転職を希望する方にとってはチャンスも多いと言えるでしょう。
採用コンサルタント 能見亮平氏
私は人材業界に長くおりましたので、その経験を活かして求職者の皆様のご希望とご経歴に深くせまっていきたいと思っています。特に建設・不動産業界の求人は細かく経験スキルが問われます。正確なヒアリングができるよう努力しています。
同社の強み
POINT 1
建設専門だから話が早い
POINT 2
“本当の現場”を知っているスタッフが対応
POINT 3
建設業界専門媒体「建設WALKER」の活用
41歳/女性 | サブコン設備会社 | 大手ゼネコン設備工事/総合職 | |
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29歳/女性 | 構造設計担当 | 大手組織設計事務所 | |
36歳/男性 | 工務店建設施工/管理職 | ハウスメーカー/住宅事業部 | |
「現在の我々の業界の場合、キャリアアップ+賃金アップといった転職成功例はほとんどありません。今までやってきた技術とやり方で新しい職場が見つかったら、それが何より成功です。働けていることが“良いこと”なので。他の業界は分かりませんが、いわゆるオイシイ話は無いです。キャリアチェンジも難しい。ただし、徐々に(希望の職場で働く自分に)なっていく方法を一緒に考えることはできます」(今村プロデューサー) |
今回お世話になったコンサルタント
10年やって一人前。
転職歴は少ない方が有利
コンテンツディビジョン プロデューサー 今村 晃氏
他の業界でも転職歴は少ない方が良いと思いますが、建設業界はさらに特殊だと思います。例えば転職回数を非常に厳しい目で見ます。業界全体で“ずっと勤め上げる”という意識が強いのは、建設という職種の特徴のせいもあります。住宅などは3ヵ月もあれば建ちますが、中規模のオフィスビルやマンションなどは設計から入居まで1~2年かかります。2年かかって1棟の経験しかできないのです。それを2~3年で転職していたら、その会社のやり方もマスターできません。当然、印象も良くありません。やはり4、5本作り、トータル10年やれば一人前と見てもらえます。例えば施工発注の際に、どの業者さんがどの分野を得意としているか……といった判断がある程度できないようでは、転職先で通用しません。加えて、いざというとき助けてくれる業者のみなさんや職人のみなさんとの信頼関係がある、といった能力も問われるでしょう。
面談時間 | 10:00~17:00 ※こちらから連絡を差し上げます |
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服装 | 自由 |
面談前の準備 |
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登録・面談後の サービス |
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取材を終えて…
建設、不動産の専門人材紹介会社。明確な目的と“専門”だから可能なカウンセリングがある、ということがわかりました。今村プロデューサーが言われたように、建設業界の特殊性を最も理解するスタッフが対応するので、細かい説明が省略できて時間も手間も少なくて済むところが利用者にとって最大のメリットでしょう。 専門性が高く、主に経験者を対象とした求人案件が多いため、転職成功に至れる人は限定されますが、業界の人々から厚い信頼を得ている同社だからこそ数多くの実績が残せている……と思う調査隊でした。
※本記事に掲載されている内容は取材時点の情報です。現在の情報と異なる場合がございます。悪しからずご了承ください