小売業、外食、専門店、卸売業…「流通業界に特化した人材紹介会社」

業界特化型の人材紹介会社は決して少なくありませんが、「流通業界」を専門的に扱う人材紹介会社は珍しいのではないか…。事前にもらった資料を見て、そんなことを考えながらエンジェルアソシエイツ株式会社を訪問しました。

「今日はよろしくお願いいたします！」

笑顔で迎えてくれたのは、現役コンサルタントとしても多くの求職者の相談に当たっているという正田常務です。

――さっそく御社の専門分野について教えてください。

「エンジェルアソシエイツ株式会社は大きく分けて2つの業界に特化した人材紹介会社なんです。一つは私たちが担当している『流通業界』、もう一つは生損保を中心とする『金融業界』です。ですから、当社のウェブサイトのトップページには、この二つの業界別の入り口が設けられているわけです」

――なるほど、そういえば確かにそうでしたね。

「いずれにしても業界を絞り込むことで、より内容の濃い求人情報の提供を行っていきたいという考え方によるものなんです。その中でも、今回は他ではあまりない『流通業界に強い人材紹介会社』という側面についてお話ししたいと思ってお越しいただいたんです」

そう言って正田常務が見せてくれたのが同社のパンフレット。それによると同社がカバーする「流通業界」は、以下のようなさまざまな業態の企業をカバーしています。

「求人職種で多いのは、やはり流通業界ならではの職種です」（正田常務）

もちろんこの他にも、管理部門（総務・人事・経理・法務など）のほか、システムエンジニア（SE）や秘書、経営企画、コンサルタント…など非常に幅広い職種を扱っています。

経験豊富なコンサルタントが企業を直接訪問して情報収集

――業界特化することによって密度の濃い紹介を行っているという御社では、求人情報の収集にはこだわりを持っているそうですね。

「求人企業との連携には特に力を入れています。求職者の方とも顔をあわせてご相談するように、企業の人事部とも対面によるコミュニケーションを特に重視しているんです。当社では基本すべての求人企業に直接出向き、人事の方と顔をあわせながら求人情報をいただくようにしています」（正田常務）

昨今はメールなどの連絡手段が発達し、企業と人材紹介会社のやりとりもメールだけで行われていることが多いとか。しかし、当社ではこのこだわりによって、求人企業との太いパイプを作り上げているのです。

「コンサルタントが直接訪問することで、まだ正式に募集が始まってない求人や非公開求人など貴重な情報をいただけるチャンスも増えるんです。求職者の方が人材紹介会社に期待されているのは、まさにそういった独自の情報ではないでしょうか」（正田常務）

そのため一見効率が悪いように思えるこのやり方を徹底している同社。現在エンジェルアソシエイツ株式会社にはコンサルタント8名、アシスタント2名が在籍していますが、全員がこの基本を大切にしています。また、いずれも業界経験豊富なコンサルタントなので、求人企業からの信頼度も非常に高いとのこと。

「人事との関係が太くなると、具体的な募集がない場合でも、こちらから『優秀な方がいます、一度お会いいただけませんか…』という提案型の紹介もできるんですよ」（正田常務）

――実際、そういった提案によって採用されたケースも決して珍しくないそうです。

全求人情報を全コンサルが共有、求職者第一のシステム

――御社では、一人のコンサルタントが求職者と企業の両方に対応する方式をとっていますね。

「これによってコンサルタントが集めた企業情報をダイレクトに求職者の方にお伝えできるのです」（正田常務）

とはいっても、こうした兼任システムをとっている人材紹介会社は多数あります。同社が徹底しているのは実はそこから先なのです。

「兼任システムをとっていても、各コンサルタントの横の連携がなければ、結局は分業式と近いことになってしまいます。そこで当社では、求人企業をコンサルタント全員で担当するシステムを採っているんです。全求人情報を全コンサルタントで共有していますからマッチングのもれもなくなります。比較的小人数で運営している人材紹介会社だからこそできることかもしれませんが」（正田常務）

求職者からすれば、自分が相談したコンサルタントが直接企業への紹介を担当してくれるというのは、とても心強いこと。もちろん効率だけを考えれば、分業スタイルの方が絶対にスムーズなはずです。まさに求職者の利便性を第一に考えている同社ならではのシステムだと思いました。

最終的に満足してもらうために、時には嫌われ者の役も

――あらゆる場面で効率よりもサービスの充実を第一に考えておられるわけですね。

「もちろんです。そして、それらはすべて求職者の方のため、求職者第一ということなんです。ですから、相談、アドバイスもとことんやらせてもらっています。具体的にいえば応募書類の添削。一度アドバイスして終わりではなく、その方にとってベストだと思える職務経歴書ができるまで5回でも6回でもアドバイスして書き直していただくこともありますよ」（正田常務）

――5回、6回ですか…。求職者の方が嫌になりませんか？

「もちろん上から一方的に何かを言うようなことはありません。すべては求職者の方のためだということをよくご説明していますから、ほとんどの方が理解して下さいますね。転職に成功して最終的に良かった…と思っていただくために、時には厳しい鬼コーチの役も引き受けるということなんです」（正田常務）

――笑顔が優しくとても話しやすい正田常務。しかし、優しさの中にも厳しさを持って、求職者のためになる親身な転職アドバイスを行っている姿が垣間見えるような気がしました。

同社の強み