今回の調査対象社
株式会社キャリアビジョン
「人材紹介業はサービス業である」という方針のもとに、活字やネットでは獲得できない情報を提供してくれる人材紹介会社、株式会社キャリアビジョン。転職希望者ひとりひとりに合ったオーダーメイド感覚のコンサルティングが特徴という同社へ潜入しました。
株式会社キャリアビジョン 本社
〒107-0052 東京都 港区赤坂4-1-30 AKABISHI-2 4階
【交通】東京メトロ 丸ノ内線/銀座線 赤坂見附駅A出口 徒歩3分 東京メトロ 千代田線 赤坂駅1番出口 徒歩5分 東京メトロ 半蔵門線/南北線/有楽町線 永田町駅 半蔵門線ホーム経由8番出口 徒歩5分
幅広い守備範囲。中でも医療・理化学機器などに強い
東京メトロの赤坂見附駅から赤坂駅方向へ歩くこと5分。オフィスビルがひしめく通りのひとつに株式会社キャリアビジョンの入る第六セイコービルが見えてきます。2階に上がると右手にインターフォンの置かれた受付が見えます。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
さっそくカウンセリングルームでもある応接へ案内していただきました。フロア全体はいわゆる普通のオフィスビルで、特別な装飾や調度の類いはありません。そのせいか、不思議と職人気質で経験豊富な、頼りになるカウンセラーが登場するように感じます。
――事前に御社のHPを拝見しました。その中に得意ジャンルを絞らずあらゆる業界への紹介を行う、とありますが過去の成功事例からあえて強いといえる業界は何ですか。
「結果的に多いのは医療機器、理化学機器、分析機器、エンジニアを含めた機械、そしてITでしょうか。これらは社長が起業する前に営業として手がけていたジャンルでもあるんです。他にも化粧品や食品といった消費材業界も多いですね。管理系、営業系、生産系と幅広くご紹介しています」
――業界を問わず生きた情報を提供してくれるという株式会社キャリアビジョン、日頃からカウンセリングの際に心がけていることはどういったことでしょう。
「一言でいえばきめ細やかな対応ということに尽きます。転職希望者には様々なタイプの方がいますので、まず目的意識を共有することが大切ですね。転職先でどんなことがやりたいか、ご本人の“つもり”を考えていただき、そうなるための手段を我々がお手伝いさせていただく、ということです」
求人企業のツボを理解する管理職経験者コンサルタント
受付をしてから感じていた“実力派“という同社の印象を決定づけたのが、次の大森紹介部長の言葉でした。
「当社のカウンセラーは管理職経験者が多いんです」
――なるほど、管理職の目線を持っているから、企業がどういった人物を欲しているか理解しわすいわけですね。
「仕事のスタイルは時代とともに変わって行くものです。ITにしても営業にしても“今”がある。職場の雰囲気を理解し、そこで必要とされる人物像を理解できるのは上に立った経験のある人なんです。そもそも管理職をやったことの無いカウンセラーが『管理職経験が足りませんね』なんて言っても相談者には響きませんよ」
――確かに。管理職が何に悩むのか理解できるのも管理職経験者ということですね。すると相談に来る転職希望者は管理職レベルの方が多いのでしょうか。
「若い方は色々な可能性があるので大手人材紹介会社でも対応してもらえますが、当社では営業や機械といった、ひとつのジャンルで経験を積んだミドルクラスから部署長クラスの方の相談が多いです。ブランド企業や安定感のある企業が人気ですが、本来の実力が発揮できない環境から発揮できる環境へ移るお手伝いが我々の役目。以前、有名企業でくすぶっていて、少し規模の小さな企業へ転職した方がいたんです。でもその転職先は、その方が実力を十分に出せる職場だったので、結果的には成功と言えると思います」(風戸リクルーティングマネージャー)
転職成功者のパターンを熟知、きめ細やかで的確なアドバイス
――転職が上手くいく人のパターンもよく知っておられると思います。どのようなタイプの方が成功するのでしょう。
「転職に対する考え方は人それぞれですが、必ずしも転職することが成功とは限りません。というのも、転職せずに現職場でがんばった方が将来的に成功する……そういう人は少なくありません。我々は面談の際に転職希望者の将来のビジョンを聞くんです。明確な目標と将来像を持つ人は、がんばる方向が理解できているので希望の転職先を見つけることができます。しかし普通、人は自分のことを客観的に見れないので、間違った方向に進みがちです。そんなときこそ人材紹介会社を利用すればいいのです」
――うまい利用の仕方というと、どのようにすれば良いのでしょう。
「転職が決まる方はいくつかポイントがあります。例えばレジュメや職務経歴書の書き方。人事担当者に“会いたい”と思わせる自己PRの書き方などをコンサルタントから聞き出すといったことです。例えば派遣の期間があるとして、本採用後と同じ職務であれば派遣の期間もキャリアに加えます。私ならそう書きましょうと言います。大切なのは経験の量ではなく中身です。企業に対して『私はコレができて、御社にこういった貢献ができます』とわかりやすく書くことが肝心ですから」(石井コンサルタント)
――実戦に強い経験豊富なコンサルタントがいる人材紹介会社。足を踏み入れたときに持った予感はインタビューが進むにつれ的中していた、と感じました。
リクルーティングマネージャー 風戸 健史氏
新卒で国内大手都市銀行に入行。その後大手派遣会社で人材紹介業に従事し、平成12年に株式会社キャリアビジョンに参画、現在に至る。「私は人材紹介業に携わってきた10年間、皆様のビジネスにおける成功と人生における成功との“双方の価値観“を共有できる、そんな企業にご紹介することをモットーとしてきました。求人情報には無い求職者と企業における“双方の価値観“を客観的な立場でお伝えすることを心がけています」
リクルーティングコンサルタント 石井 弘氏
人材紹介事業部に所属し、電子・電機業界をはじめ消費材業界まで幅広く担当。17年のコンサルタントの経験を生かし、求職者の立場に立って親身に対応している。「条件が厳しくてもあきらめないことが大切。自分のセールスポイントをしっかり捕らえ、前向きに考える方が転職に成功しています」と熱く語ってくれました。
同社の強み
POINT 1
目先の転職相談ではなく、キャリアプランに沿ったご相談
POINT 2
求人企業のプラス面・マイナス面ともに提供
POINT 3
面接のパフォーマンスを引き出すアドバイス
POINT 4
面談から内定まで、迅速できめ細やかなフォロー
43歳/男性 | 外資系メーカー/人事マネージャー/年収950万円 | 外資医療機器/人事マネジャー/年収1200万円 | |
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35歳/女性 | 外資分析機器メーカー/技術営業/年収700万円 | 外資分析機器メーカー/技術営業/年収800万円 | |
30歳/女性 | 消費財商社/マーケティングスタッフ/年収500万円 | 外資食品メーカー/アシスタントマネジャー/年収600万円 |
今回お世話になったコンサルタント
転職成功はスタート地点
燃え尽きないでほしい
取締役紹介部長 大森宏文氏
大学卒業後、人事、教育、研修コンサルティング会社で企画営業を経て人材紹介業に従事。10年以上にわたり人材紹介業に携わっている。
よく他の紹介会社で『乗り気ではなかったが、強く勧められた企業へ面接に行った』という話を聞きます。人材紹介会社の言う通りに動くのではなく、より多くの生きた情報を集めてもらい、その上で受けたい企業は本人が選べば良いのです。なにしろ、その会社で働くのは転職希望者ご本人ですから。もちろん企業との相性があるように、カウンセラーとの相性もあるでしょうから不具合を感じたら違う人をリクエストしましょう。大切な将来の職場ですから、それは言っていいと思います。
それから転職活動に熱中するあまり、転職そのものが目的になってしまう人も多いんです。様々な企業のデータを大量に集めて、過剰に面接対策して転職が決まったときは燃え尽きていた……そんな人が少なくありません。あくまでも転職はその人の将来の幸せのためにするもので、入社できたから終了……というものではないんです。転職してからの自分がどうなりたいか、ビジョンをはっきりさせることも転職成功への道じゃないでしょうか。
面談時間 | 30分から1時間30分(ご本人の都合に合わせます) ※要予約 9:30~20:00(土曜日は9:30~17:00) |
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服装 | 自由 |
面談前の準備 |
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登録・面談後の サービス |
転職は目的ではなく、自分の職場を見つける手段 オーダーメイド感覚の転職相談を心がけている同社では、インターネットでは入手できない情報を数多く持っています。転職希望者の希望に近い案件を探し出し、転職成功に至る道筋をいっしょに考えてくれるところが心強いのです。「転職はあくまでスタート地点、次の職場でどのように自分を磨き、成長させ、会社に貢献して行くかが大切です」(大森紹介部長) |
取材を終えて…
人柄と誠実さが面接の最大の武器。石井カウンセラーの以下の話をうかがって、あらためてそう感じました。
「じつはある企業の役員秘書という仕事の面接に行った方が、残念ながらNGになってしまったんです。でも帰ってくると『面接のお礼を伝えたい』というので弊社経由でメールを出しました。すると人事担当者から連絡があり『今回は経験不足が原因でお断りしたけど、印象の良い人だったので人事管理部長の秘書のポストが一人空いたので、ぜひ頼みたい』という内容でした。誠実さは日頃からの心がけが大切です。この件であらためてそう思いました」
書類審査を通過して面接に進み、そこで人事担当者と向かい合う。しゃべりすぎず、伝えるべきことをキチンと話す。そういった技術的なことに加えて、日頃からカウンセラーと話すことで自然と面接の気構えができてゆくそうです。「私たちが手助けできるのは最後のほんのひと押しだけ」
そう話してくれた株式会社キャリアビジョンのみなさんでしたが、そのひと押しの大きさを感じる取材でした。
※本記事に掲載されている内容は取材時点の情報です。現在の情報と異なる場合がございます。悪しからずご了承ください