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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
インタラクティブ・コミュニケーションについて
 先週、【人材バンクネット】主催でキャリア座談会が開かれました。転職を考えている方、既に転職を経験された方が集まり、ビジネスマンのキャリア形成について様々な視点から議論が行われました。当初の予定を大幅に超え2時間半にも及ぶ白熱したものでした。

 また、皆さん僕の連載を読んでくださっているようで、様々な感想、質問を頂きました。このように読者の方からインタラクティブにフィードバックを頂ける機会は非常に重要です。

 普段僕はこの連載でメッセージを投げ続けているわけですが、それだけでは読者の皆さんがどのように感じているのか分かりません。単に自分の主張だけを行う一方通行のコミュニケーションになってしまいます。

 しかし、この連載の良いところは、メールで感想を頂いたり、このような座談会の場で感想を聞かせて頂けるインタラクティブな双方向のコミュニケーションが取れるところです。自分が投げているメッセージが読者の方に深く共感されていたり、その一方で、僕が意図したメッセージとは違う意味合いで感じ取られていたり、コミュニケーションの面白さ、難しさを痛感させられます。

 このような双方向のコミュニケーション(評価)は、連載のみならずビジネスシーンでは非常に重要です。
 例えば、現在僕はコンサルティングファームという組織を経営管理する立場にありますが、組織の目指す方向性を社員全員に理解してもらう必要があります。しかし、僕の投げるメッセージが明確なものでなければ、社員は個人個人独自の解釈でそのメッセージを理解してしまいます。そうすると社員の力が分散し、結局思い通りの成果が出ないことになります。だから、僕は自分の投げたメッセージがきちんと理解されているか、常にコミュニケーションをとりながらチェックします。

 メッセージは相手に自分の意図どおりに理解してもらえるものでなければなりません。そのためのツールとして、ロジカルシンキングや、「共感をよぶ」プレゼンテーションといった手法があるわけです。

 ここで是非注意して頂きたいのは、ロジカルシンキングはあくまでも手段だということです。ロジカルに思考し、プレゼンテーションができることは目的ではありません。ロジカルに思考し、プレゼンできることで、「相手に自分の意図どおりにメッセージを理解してもらい、行動に繋げてもらうこと」が目的なのです。

 我々戦略コンサルタントの中には、この目的と手段を取り違える場合があります。ロジカルに完璧なプレゼンをすればそれで役目を果たしたという考え方です。
 しかし、それだけではクライアントは我々が提示する戦略プランを理解すれども変革へ動くことはありません。そこには、また別のコミュニケーションが必要になります。

 このように、コミュニケーションを図るというのは実は意外に難しい問題で、僕も日々勉強中です。その試行錯誤の中で、この連載も書いているわけです。試行錯誤だからこそ、読者の方からのフィードバックは大変参考になります。

 今回の座談会では、皆さん僕のGC(合コン)に非常に興味を持たれていたようでした。(笑)残念ながら、仕事の忙しさを理由に最近開催できていないのですが、是非開催して皆さんにご報告できるようにしようと思います。(笑)
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.10.01 update 戻る

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