転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|“吾人の任務” に学ぶ 3つのポイント

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
“吾人の任務” に学ぶ 3つのポイント
  グロービス代表の堀義人さんが書かれた『吾人の任務』(東洋経済新報社)を読みました。グロービスは、次世代のビジネスリーダーを創出する社会認知型ビジネススクールで、その代表の堀さんの自伝なわけですが、メッセージには非常に共感できるところがありました。それは、
1. 時間を大切にすること
2. 枠にはめられない自由な思考をすること
3. 「目的」を持つこと です。

「時間を大切にすること」に関しては、この連載でも何度もその重要性を話してきていますが、その本質は自分の時間を大切にするのと同様に、相手の時間を大切にすることです。時間を守らないということは、「相手の時間を犠牲にする」非常に失礼な行為だということをしっかり認識することです。

 カイリオスでは、役員以上がミーティングに遅刻すると1分1万円の罰金を導入しています。一度、社長が10分ミーティングに遅刻したことがありましたが、きっちり10万円回収しました。その後、カイリオスの役員会では、二度と遅刻は発生しなくなりました。

 とは言え、僕自身も完璧ではありません。最近、特に日々のビジネスが忙しく、メールの返信が遅くなりがち、または放置しがちになっていました。

 グロービスでは「24時間ルール」というものがあり、24時間以上、メールを返信しないと、そのメールの内容に同意したことになるそうです。僕は、「僕の同意がいる問題なら、メールを返信しなくてもどうせ聞きに来るだろう」と慢心していたところがあり、この点は大いに反省させられました。

 「枠にはめられない自由な思考をすること」に関しては、目が覚める思いでした。僕は、カイリオスのCOO(最高執行責任者)で、日々の事業経営をマネジする責任を負っています。どうしても限られた予算、時間、人的リソースの中で目の前に直面する問題に対する打ち手を考えてしまいがちです。

 経営者は本来、あらゆる可能性の前提の中で打ち手を考えるべきで、全ての打ち手が現れた段階で、制約条件を考慮していけばよいわけです。僕は、自ら自分の「思考の広がり」に枠をはめてしまい、経営の打ち手を十分に考えられていなかったように思います。

 「『目的』を持つこと」に関しては、なかなか難しい問題です。堀さんは、社会認知型ビジネススクールを日本に作ることで、次世代のビジネスリーダーを創出するという明確な目的があるわけです。

 では、僕の「目的」は何なのか。コンサルタント、事業経営、学者といった三つの視点から経営のプロフェッショナルになるというキャリアプランだけはしっかりできていますが、そのゴールにある「目的」は何なのか。「金持ち」になることなのか。「経営再建請負人」として、ミスミの三枝社長のように、企業再建が自分の本当にやりたいことなのか。MBAの教授になり、次世代のビジネスリーダーを創出することが目的なのか。

 実は、今の僕にはその答はまだ分かりません。日々事業経営の最前線で走りながらも、少しでも冷静に自分の「任務」が何なのか考える時間を見つけることで、その答を見つけ出したいと思います。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.09.24 update 戻る

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