転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|キャリア形成のスタンダード

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
キャリア形成のスタンダード
 最近頂いた質問の中で印象的なものがありました。「牧田さんのキャリア形成にはブレがないように見えます。何故そこまで自分に自信を持って自分のキャリアを形成できるのですか」という質問です。

この質問に対する答は以下の通りです。
1. 自分のキャリア形成、判断にいつでも自信を持っているわけではない。常にストレッチしているので四六時中壁にぶつかるし、壁にぶつかれば自分のキャリア形成は正しかったのかと思う。また、経営者としてオペレーションの判断で悩むことはほぼ毎日である。
2. しかし、経営者である以上、そのような弱気な自分を外部に晒すことはできないし、少なくとも組織のリーダーとして周囲から信頼され安心されるよう、自信を持っているように見られるよう無意識のうちに振舞っている。
3. ただ、自分のキャリア形成にせよビジネスの判断にせよ、最終的な意思決定の判断基準は確固たるスタンダードがある。そのスタンダードとは、「中学、高校時代の僕が、今の僕を見て尊敬できる僕か」ということである。

 僕は、中学時代、高校時代ともに学校や先生が大嫌いでした。学校という組織は僕らを子ども扱いし下らないルールで僕らを縛りつけ、先生という存在は世の中の下らない大人の象徴で、打算的であり自分の損得勘定しか考えていないおよそ組織のリーダーにはなりえない奴らでした。

 僕は進学校に通っていたのですが、先生の脳みその中は、とにかく実績作りだけです。本人の希望する大学を受験させることに意味があるのではなく、合格する大学を受験させて数字作りをすることに熱中していました。
 僕は「僕らの人生をなんだと思っているんだ、僕らは先生のコマじゃない」と思い、彼らの価値基準をひっくり返してやろうと思いました。

 学校をサボり、バイクで通学し、茶髪のロン毛でちゃらちゃらしながらも、自分で勉強し、彼らが至上価値だと思っている東大や京大に合格できる成績を取り続けました。彼らは、僕のことを苦々しく思いながらも、「彼らの価値観」の中で結果を出し続ける僕には何も言えませんでした。

 今、僕は大人になりあの頃の「アオイながらもアツイ思い」を時に忘れそうになります。ビジネスをやっていると政治を駆使することも必要で、損得勘定の上で打算的な判断をしなければならない立場にもあります。しかし、その打算的な判断を続けていると、僕は魅力のない大人になり、高校時代の僕が最も嫌っていた存在になってしまいます。

 大人の世界では、「もっと大人になれ、まだまだ若いな」と一蹴される価値基準が、本当に正しいものなのか、その点に疑問を持ち続けることが経営革新を行っていったり、業務革新を行っていく上でカギとなることがあります。

 まあ実際には、“言うは易し、行うは難し”ですが、今の僕も18歳の頃の僕のように、大きな組織(クライアント)を相手にしてもがき続けています。それで僕が潰されるなら、それは僕の責任で僕の力が足りなかったということです。しかし、18歳の僕に尊敬されるような、そして、もし僕に息子ができたら18歳の息子に尊敬されるようなビジネスに対する姿勢を失いたくはないと考えています。

 僕のキャリア形成もビジネスの判断基準も全てこのスタンダードに拠っています。その点では、ブレがないと思います。

 このように偉そうに話をしてきましたが、ゴルフのスイングはまだまだブレが多く、ゴルフの先生からは「牧田さん、しっかり軸を定めてもっと腰を落ち着けてください」と怒られてばかりです。(笑)
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.09.03 update 戻る

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