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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
情報に埋もれない 意思決定への実践ポイント
 先週末にケーブルテレビと契約しました。その結果、僕の自宅のリビングでホームシアターに映し出されるチャンネルは一気に数十チャンネル増え、書斎のデスクトップPCはブロードバンド化し、ストレスなくインターネットを楽しめる環境が整いました。

 ところが困った問題が生じました。提供されるテレビのコンテンツにせよ、インターネットをする時間にせよ一気に増えたのですがとてもじゃないけど裁ききれないのです。テレビ番組表は数十チャンネルあり、その全てをチェックし、何を見るのか決めるのには非常に時間がかかります。また、いざインターネットを常時接続できる環境になるとあれもこれもと調べまくり、いつの間にか時間が過ぎ、見ようと思っていた映画を見過ごしたりします。

 僕の脳みそが処理できるキャパシティより、明らかに提供される情報量が多すぎるのです。僕は情報の中に埋もれてしまい、例えば
1. 週末の夕方にインターネットをすべきか、読書をすべきか、映画を見るべきかという決断をオポチュニティ(機会)の多さのゆえに決められなくなり
2. その結果、例えば映画を見ていても他にも面白い番組があるのではと考え、自分のアクションが最適解ではないことを認識し、不愉快に思い
3. 結局、充実した時間を過ごそうとしているのだが、常に選択肢を与えられ、その選択肢に対し合理的な判断ができていないと強迫観念を感じる
という、自分の意思決定が情報に振り回され満足できない結果になってしまいました。

 組織のトップに立ち日々オペレーションをしていると、今の話と同様に情報が嵐のように入ってきます。戦略コンサルティングをする場合も、一気に様々な情報が嵐のように入ってきます。
 重要なのは、そこで必要な情報と必要ではない情報を振り分けることです。そして、自分の脳みそのキャパシティを考え、喫緊の課題ではない情報は、「そういえばそういう情報を知ってはいるが、詳しいことはあの媒体またはあの人に聞けば分かるはずだ」と考え、忘れてしまうことです。

 僕のところには様々な経営情報、コンサルティング情報、プロジェクト情報が入ってきます。しかし、喫緊の課題以外はどんどん忘れます。自分のスケジュールに関しても、僕はどんどん忘れ、秘書がきちんとアフターフォローをしてくれます。
 なんでもかんでも自分の脳みそに入れ続けることは不可能です。だから、ある意味割り切り自分にとって優先順位を高い情報だけを処理することに専念しています。

 課題に対して、どの媒体を検索し、誰に聞けばよいのかということさえ分かっておけば、実務のレベルではそれほど困ることはありません。
 今、この原稿を書きながら今回のケーブルテレビの一件を考えると、僕は冷静じゃなかったようです。僕のケーブルテレビ導入の目的は、
1. ガオラというスポーツチャンネルで、秋の関西学生アメリカンフットボールを見ること
2. 自宅からもパワーポイントの大きなファイルをストレスなく送れるようにすることです。
 
 ところが目の前に、ケーブルテレビというおもちゃが現れたために興奮し、なんでもかんでも活用してやろうと思ったわけです。僕は昔からおもちゃを買ってもらうと、興奮し昼夜を忘れ遊び続け、すぐに飽きてしまうという子供でした。今さらながら自分が成長していないことに驚きました(笑)。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.08.26 update 戻る

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