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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
コンサルタントの「ONとOFF」
 今僕は、都会の喧騒から離れ非常に穏やかな時間を過ごしています。前回お話したプロジェクトは無事終了し、その翌日から新たな事業開発や投資家とのミーティングなどを行う必要はありましたが、基本的には穏やかな日々が続いています。

 コンサルタントの仕事は、オンとオフが非常にはっきりとしています。オンタイム(プロジェクト期間中)は、24時間営業で日々気の休まる暇もなくクライアントに喜んで頂ける最高のアウトプットを目指し突っ走り続けます。戦略コンサルタントは、周囲を見ても1日15時間は平均して働いています。その15時間も非常に密度の濃いもので、脳みそのハードディスクは全開の状態が続きます。

 しかし、その一方でプロジェクトが終了すると(オフタイム)僕自身もそうですが、僕は部下のコンサルタントに十分に休みを取ってもらいます。平均すると1,2週間まとめて休みを取ってもらい、プロジェクト期間中ないがしろにしてきた家族や恋人との時間を大切にし、本を読んだり旅行をしてもらって自己研鑽の場を取ってもらいます。そして、十分に充電したらまたプロジェクトの第一線で活躍をしてもらうわけです。

 僕はプロジェクト期間中は鬼軍曹のようなプロジェクトマネージャーです。
1. 時間を守ること
2. 約束を守ること(やると言ったことは何があっても必ずやり遂げること)
3. 絶対に逃げないこと
をルールとし、このルールを破った奴は、例え年齢が上でも容赦なく怒鳴り散らし、クビにします。僕が絶対君主で僕の命令(上記のルール)に背く奴は、即座にクビです。その代わり、クライアントに対しては僕が代表して対応し、クライアントの理不尽な要求に対してはクライアントと喧嘩をしてでもプロジェクトメンバーを守ります。

 非常に張り詰めた雰囲気の中、プロジェクトメンバー全員が脳みそを結集し最高のパフォーマンスを発揮します(日々のパフォーマンスに自分のクビがかかっているのだから当然かもしれませんが)。

 しかし、プロジェクトを離れると僕はプロジェクトメンバーと一緒にGC(合コン)に行ったり、飲みに行ったり遊びに行ったりします。プロジェクトが終われば、プロジェクトメンバーは苦楽を共にした大切な仲間であり、お互いを良く理解している仲間です。一緒に遊んでいても、とても楽しいです。

 このようにメリハリのある生活を過ごしていると、いざプロジェクトを始めたときに一気に集中力を上げ、最高の水準を維持することができます。十分に鋭気を養ってプロジェクトに臨んでいますし、プロジェクトが終わった後を楽しみに頑張ることができるからです。

 僕の周囲の一流コンサルタントはオンとオフのメリハリ付けが上手です。言い換えれば、仕事と家族(プライベート)の両立が非常に上手です。仕事をしているときは緊張感を持ちながら高水準の生産性を保ち、オフになると家族を大切にしています。

 僕は今回約10日ほど自由な時間がありますが、
1. 時間がなくて読めなかった新聞や日経ビジネス、日経情報ストラテジーなど数十冊を一気に読む
2. ガーデニングで懸案となっているサツマイモの植え替えを行う
3. ただ、自分のキャリア形成にせよビジネスの判断にせよ、最終的な意思決定の判断基準は確固たるスタンダードがある。そのスタンダードとは、「中学、高校時代の僕が、今の僕を見て尊敬できる僕か」ということである。
ことを目標にしています。

 特に楽しみなのが3 で、『ボクの夏休み2』をやることです。『ボクの夏休み2』は昭和50年代がテーマになっていると聞いていますが、僕自身昭和50年代に小学生でした。夏休みには虫取りに行ったり、公園で野球をやったり、高校野球をひたすら見たり、スイカを欲張ってガンガン食べおなかを壊したり、いろんな経験をしました。今回の休みでは、そのような昔を懐かしむ経験ができればよいと考えています。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.08.16 update 戻る

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