転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|責任を負って成長する―「自分ブランド」で戦う理由

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
責任を負って成長する—「自分ブランド」で戦う理由
 先日ある投資家の方と話をしているとき、「牧田君は、次のステップとして大手のコンサルティングファームに戻ることは考えていないの? 牧田君ほどの事業開発力とプロジェクトマネジメント力があれば引く手あまたでしょう」という話をされました。僕の現段階の答は以下の通りです。

1. 今の段階では、大手のコンサルティングファームへ戻るつもりはない
2. 現在は自分のブランドで、大手コンサルティングファームとどこまで戦えるか試すのが非常に楽しい
3. その上で、自分のブランドを確立した段階で次のステップを考えたい
ということです。

 確かに大手のコンサルティングファームで、安定した収益基盤のもと「プロジェクトを獲得するために事業開発を行うことに専念できる」環境は羨ましいですし、「プロジェクトに必要なリソースをすぐに調達できる」環境も羨ましい限りです。
 しかし、キャッシュフローを厳格に管理しながら、事業全体を管理し、投資家と話を進める経験は今のような環境でないとできません。また、ファームにブランドがない分、クライアントは僕自身を厳格に評価し、僕を信頼し、僕を買ってくれるわけです。大手コンサルティングファームとコンペになって、大手のブランドに対して僕個人のブランドで戦うのはこの上なくエキサイティングですし、勝ったときの喜びはひとしおです。

 僕は現在32歳で、社会人経験も5年目を迎えました。この時期に、自分のブランドで市場に勝負する経験をしっかりと身体に叩き込んでおかないと、最終的に組織のブランドにおんぶに抱っこのサラリーマンになってしまう気がします。

 数週間前、キャリア雑誌の営業をしていた片桐麻美子さんと食事をする機会がありました。そこで話をしていて盛り上がったのが、この「自分のブランド」の話です。片桐さんもそうですし、僕もそうですが、クライアントは組織ではなく僕らを見ています。僕らの言葉・人間を判断して、僕らのサービスを購入するかどうかを決めます。だから、サービスを買っていただいた場合、僕らはその全責任を負わなければなりません。この責任を完全に負うというのが非常に楽しいし、成長の糧になるのです。

 実は、僕はこの6月から今日まで1日たりとも仕事を休む日がありませんでした。女性と食事に行ったりGC(合コン)に行く機会はありましたが、大幅にその数は減りました。
 プロジェクトを複数抱え、脳みそをフル回転させ、部下のコンサルタントがミスをしたり、クウォリティの低いアウトプットを出した場合も全部僕がけつを拭き処理し、ほぼ毎日オフィスとクライアントの本社を往復する日々が続きました。その合間に、あちこちで講演を行い、それはそれで準備もありますし大変でした。更に講演を行うと、様々な引き合いが入り、事業開発を行うことにもなります。忙しさ全開です。休む暇など全くありませんでした。

 肉体的にも大変ですし、精神的にも大変です。ビジネスで脳みそをフル回転させているため、プライベートでは何も考えられなくなり、自宅へ戻りバーボンを1杯飲むと意識を失い、気がつくと朝を迎えているという状況が続きました。そんな状態でも、朝になると元気全開でクライアントのオフィスへ行き、コンサルティングを続けました。どんなに辛い状況でも、プロフェッショナルとして信頼されることを第一に考え、僕の出せる力を全て出し続けました。

 「大手コンサルティングファームのようにリソースが十分にあればなぁ、助かるだろうなぁ」とは思いましたが、全部自分で責任を負いました。一度、全部責任を負いきるという経験をしっかりすると自分の自信になります。
 仮に僕が大手コンサルティングファームのマネージャーだったら、誰かに助けを求め、助けがあると分かった瞬間倒れていたでしょう。

 このように、今僕は敢えて自らを逃げ場の無い環境に身をおき、一人のビジネスマンとしてコンサルタントとして市場から評価されるトレーニングをしています。そして、市場から僕がビジネスマンとして、また、コンサルタントとしてきちんと評価され結果を山のように出せば、大手コンサルティングファームのみならず、事業会社からも更にお誘いが来ると思います。今はまだ結果を残し続ける段階です。その意味で、今の段階では大手コンサルティングファームに戻るつもりが無いわけです。

 現在行っているプロジェクトは明日で終わりです。僕が全責任を負いきちんと管理できたプロジェクトでした。あと1日で、穏やかな日々を手に入れることができそうです。しかし、10日後には別のプロジェクトが始まり、また忙しい日々が始まります。大切な大切な穏やかな日々です。ガンガン遊び、久しぶりにGC(合コン)に行きたいと考えています。(笑)
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.08.05 update 戻る

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