今週、宇都宮でEIP(エンタープライズ・インフォメーション・ポータル)に関する基調講演を行ってきました。講演自体は大成功で非常に満足できる結果が出ました。
講演前に「どる屋」でラーメンを食べたのですが、講演終了後も、僕は宇都宮のはずれにある「花の季」へラーメンを食べに行きました。JR宇都宮駅からバスに揺られること約1時間。バスを降りると、そこには田園風景が広がり、交通量も非常に少なく本当にここは宇都宮なのだろうかと思うようなところでした。ちょっと心細くなりながら約5分ほど歩くと、「花の季」がありました。非常に美味しいラーメンでとても満足し、JR宇都宮駅に戻ることにしました。
再び田園風景の中を歩き、小さな小さなバス停で次のバスの時間を見ると、なんと1時間後でした。このラインは1、2時間に1本しかバスが通っていなかったのです。僕は小さなベンチにぽつんと座り、バスが来るのを待ちました。日が暮れてだんだん暗くなってきます。人通りもほとんど無く、本当にバスが来るのか不安になってきました。雨も降り出し、傘の中で体を小さくして待っていましたが、不安は増し続けました。「バスが来なかったらどうしよう?ヒッチハイクでもするか?近くの民家に泊めてくれと頼むか?」などいろいろ考えました。
予定時間を数分過ぎた頃、暗闇の中に明かりが二つ見えました。バスのライトです。僕はほっとしてバスに乗り込み、JR宇都宮駅まで眠り込んでしまいました。
このように自分の現在地がしっかりと把握できないと、また将来が明確に見えてこないと非常に不安な気持ちになります。
キャリアパスも同様であり、現在の自分のキャリアは将来、何にどう役に立つのか、将来自分のキャリアがどうなるのか、という方向性が明確に見えないと非常に不安な気持ちになります。また、方向性が見えてもそこへのたどり着き方が分からなければ、不安になります。
一方、僕はクライアント先にミーティングに行くとき、ほとんどが車での移動です。もちろん初めての場所に行くことも多々ありますが、カーナビで問題なく行くことができます。カーナビではゴールが決定されており、そのゴールへ最も効率的にたどり着くことができます。途中で渋滞が発生していれば、その渋滞を避けてゴールへ向かってくれます。また、ゴールまであと何キロで何分で到着するかも分かります。
キャリアパスも同様であり、自分の最終目標が明確になっており、かつ、そこまでのパスが見えていると非常に安心します。後は、一歩一歩先へ目標へ向かって進み、問題を解決するだけだからです。
僕は幼い頃、祖父の住んでいた島根県の隠岐島の山中で迷子になったことがありました。祖父としいたけ狩りに行ったのですが、はぐれてしまったのです。不安な気持ち、泣きたい気持ちを抑えて、一生懸命ふもとへたどり着こうとしました。周囲の状況をよく観察し、この風景を見たことがあったかなかったかという記憶だけを頼りに、数時間かけてなんとかふもとにたどり着きました。
JR宇都宮駅へ向かうバスの中で、幼い頃の記憶が鮮明によみがえり、今の僕の状況と一緒だなぁと思いました。僕自身、「ビジネスマンFA宣言」と題して自分のキャリア形成をお話していますが、実際には僕自身も試行錯誤の中でゴールを目指しているからです。
次回、7月23日に新宿でもトップエグゼクティブセミナーの基調講演を行うことになりました。今度は迷子になることは無いでしょう。(笑)