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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
気持ちを掴んで離さない 「プレゼンテーションの極意」
 前回の連載も結構な反響があり、「気合の入れ方が半端じゃないですね」とか「最初の文章は怖かったです」といった感想を頂きました。ただ、ある意味この反響は予想通りの結果です。

 プレゼンテーションを行ったり、講演を行ったりする場合、「最初の掴み」は非常に重要です。講演を行うとき非常によく注意することですが、まず聴衆の注意や気持ちをググッと掴まなければ良い講演はできません。

 コンサルタントは、クライアント企業の役員会に出席し、プレゼンテーションをする機会が数多くあります。そこには、キャリア数十年の魑魅魍魎(?)が蠢いているわけです。そこで場の雰囲気に飲まれて、上手くプレゼンテーションができないようでは、コンサルタントとして失格です。逆に、場の空気を一気に支配し自分のペースを掴む余裕が必要です。

 どんな状況でも、どんなプレッシャーの中でも平然とプレゼンテーションができる必要があります。この訓練は、コンサルタントならず経営者にも重要です。経営者になった今、痛切に感じることですが、ビジネスを纏め上げ、商談をクローズする際、様々な交渉術が必要となります。相手がどのようなカードを切ってきて、こちらがどのような切り札を出すのか、冷静にかつ迅速に判断しなければなりません。

 プレゼンテーションを行う際、重要なことがもうひとつあります。それは全体感を絶対に失わないことです。全体感のない講師は、セミナー講演でもそうですし大学の講義でもそうなのですが、早く終わりすぎたり延長して話が終わらなかったりします。自分の話していることにストーリーがなく全体を見渡す能力が欠けているためにこのような事態になります。


 プレゼンテーションもそうですし、プロジェクト・マネジメントもそうですが、常に全体感を持つ必要があります。自分に与えられた時間はどれだけあるのか、その中で、自分が相手にまず伝えたいメッセージは何なのか、その次に与えたいメッセージは何なのか、その中でストーリーを作るとすればどうすればよいのか、瞬時に組み立て伝える能力が必要です。

 先日、東京のアメリカンクラブで講演をする機会がありました。その後、懇親会でいきなり紹介され、「1分で今の日本のユビキタス環境に関して説明してくれ」というオーダーがきました。僕は、「非常に長い時間を頂きまして有難う御座います」と冗談を言いながら、その間に50秒で話せることは何で、今日のオーディエンス(聴衆)の特性から何に一番興味を持ってくれるだろうかと考えました。

 たまたま自動車業界の方が多かったので、ITS(Intelligent Transport Systems)の未来像と可能性に関して、50秒ほど話をしました。皆さんから感心していただき、その後の懇親会では数多くの方とお知り合いになれ非常に有意義な時間にすることができました。

 このように自分の考えていることを正しく相手に伝え、かつ相手に正しく理解してもらうことはビジネスのみならず、およそコミュニケーションを行う際、とても重要です。特に、GC(合コン)での交渉術は、商談をクローズする以上に高度なテクニックが要求され、一期一会の精神で日々勉強している次第です。(笑)
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.05.31 update 戻る

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