皆さんは誰かを殺したいと思ったことはありますか? ずいぶん物騒な質問ですが。(笑)
僕の母校である京都大学のアメリカンフットボール部は、これまでに全国制覇を4度果たした日本有数の強豪チームです。秋の関西リーグで、リーグ優勝をかけた関西学院大学との試合では、選手・コーチが「関学を殺せ!」と叫びながら気合を入れます。そして、関学を叩き潰すために命を懸けます。
先日、TBSの「ガチンコ」という番組で「ガチンコラーメン道」というプロジェクトをやっていました。半分やらせだろうと笑いながら見ていたのですが、僕はあるシーンに深く共感しました。
それは、佐野実氏へ入門するための合格者を決めるシーンです。一人が辞退し、合格者の席がひとつ空きました。そこですぐにアクションが起こせた人とアクションを起こせなかった人がいました。佐野氏はアクションを起こさなかった人に言いました。「何故、ひとつの席が空いた時に行動しない?
その瞬間、お前は敗者なんだよ。勝てないんだよ」
勝負には勝者と敗者が存在します。一般的に勝者はほんの一部で、勝者になるためには数多くの屍(敗者)の上に立たなければなりません。厳しいようですが、それが現実です。
外資系企業、特にコンサルティングファームや投資銀行では、勝者になれば常識では考えられない富と名声を得ることができます。しかし、UP
or OUTのキャリアパスで結果を出さないビジネスマンはどんどん切られます。2,3年の間に、組織の半分近くは入れ替わります。組織構造自体がシビアな椅子取りゲームになっているわけです。
富と名声を得ようと思えば、この環境の中で生き残り、最後まで椅子を取り続け、数多くの屍の上に立たなければなりません。
僕は、必ずしも出世することだけが世の中の全てだとは思いませんし、お金を稼ぐことが偉いとも思いません。本当は、「南の島でのんびり農夫をし、漁師をしながら暮らせたらなぁ」と思うこともあります。
しかし、学者の世界からビジネスの世界に入り、ここで成功しようと決意してからは、競合企業を徹底的に叩き潰すだけのサービスを提供し、競合人材を徹底的に叩き潰すだけのパフォーマンスを魅せ付けられるよう努力してきました。
僕の周囲を見ていても、勝ち残る人は非常に貪欲です。チャンスがめぐってきたら躊躇しません。チャンスをつかむために全エネルギーを注ぎ込みます。そして、どんどん少なくなっていく椅子を確実にGETし続けます。
そういう意味では、あらゆる局面を一期一会だと思っているわけです。ビジネスチャンスは二度と戻ってこないという気概で日々ビジネスを行っています。勝者に共通するのは、勝負する瞬間「勝負の相手を叩き殺す」という気概です。
とはいえ、これはあくまでもビジネス上の話です。
若手コンサルタントに、「チャンスがめぐってきたら躊躇せず勝負をかけろ」と説教したことがありました。すると、一緒に行ったGC(合コン)で女の子と逢ってから10分で「付き合おう!」と勝負をかけました。見事に撃沈していました。