転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|仕事の進め方とキャリア設計―2つの共通点

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
仕事の進め方とキャリアパス設計の「共通点」
 皆さんはひとつの仕事に集中没頭するタイプですか? それとも、同時並行でいくつかの仕事を回していくタイプですか?

 僕は今、カイリオスジャパンで二つの役割を果たしています。一つは、戦略グループ最高責任者としての戦略コンサルタントの役割。もうひとつは、副社長兼COO(最高業務責任者)としてのファーム経営者の役割です。この二つの役割は、異なる視点が要求され非常に面白い仕事です。以下、具体的に説明していきます。

 まず、戦略コンサルタントとしての役割として、特に経営戦略、事業戦略を考える場合、中長期的な視点が要求されます。市場を分析し、洞察し、事業体として市場に対する打ち手を考えるわけです。大所高所から物事を捉え、仮説ベースで検証を繰り返しロードマップを構築していきます。
 その上で、プロセスコンサルティング部隊、システムコンサルティング部隊が、戦略を業務プロセスに落とし込み、業務をサポートするシステムを構築していきます。弊社ではこの部分を社長が最高責任者として、現場レベルの調整を行い戦略を実現していきます。

 一方、副社長兼COOとしての役割は、立場が逆転します。社長はCEOとして、中長期的な視点でカイリオスジャパンの経営戦略・事業戦略を語ります。それを僕が業務レベル・現場レベルへ解釈しCOOとして日々のオペレーションを考えていくわけです。実際に組織を動かす原動力は戦略だけではどうしようもないことも分かり、日々苦労をし成長しています。

 この二つの視点を持てることは、戦略コンサルタントとしてもCOOとしても非常に役に立ちます。現場の日々の業務を実際に行うことで、戦略策定の際、机上の空論ではなく現場を納得させるだけの業務を理解した戦略を構築できます。また、日々オペレーションを行う際も、戦略をスムーズに理解しながらオペレーションに落とし込めるわけです。

 このように同時並行で仕事を進める場合、異なった視点から相互の仕事を分析でき客観的な冷静な判断が可能になります。また、煮詰まってしまった場合も、別の仕事に移り気分転換もできます。そういう意味では、以前から、「僕は35歳までにCEOのポジションに就くことを目標にしている」と言っていますが、現在非常に良い環境でその訓練ができていると思います。

 自分のキャリアパスを考える場合、今自分が目標に向けてどの位置にいるのか、そしてその位置で何を学び何を習得しなければならないのかは、精緻に見積もる必要があります。常に自分が自分の目標とするところに向かって効率的に努力をできているか、ずれを生じていて非効率に努力をしているのではないか(空回りをしているのではないか)ということをチェックする必要があります。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.05.17 update 戻る

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