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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
女性プロデューサーに学ぶ 「プロフェッショナリズム」と「バイタリティ」
 今週、雑誌 『プレジデント』 のインタビューで、麻布十番のレインボーロールスシやハードロックカフェ、カプリチョーザの店舗プロデュースをした柴田陽子さんと会食する機会がありました。柴田さんは、30歳の若さで、レストラン立ち上げの最前線で活躍されており、非常に興味深いお話を伺うことができました。

 その中で、お互いが共通認識として持ったポイントがいくつかあります。
1. 33回でもお話しましたが、ビジネスの付加価値は「自己満足」ではなく「他者満足」であるということです。我々コンサルタントの仕事はクライアントに満足して頂くことが全てであり、だからこそ非常に高いコンサルティングフィーを頂けるわけです。レストランサービス事業も同様で、料理、店の雰囲気、店員の対応全てが相俟って、お客様に満足して頂いて、はじめて価値があるわけです。
2. そのため市場の反応に極めてセンシティブ(敏感)にならなければならないということです。市場の潮流を肌で感じ取り、その潮流に合わせたソリューションを提供し続けることができるかどうかが、勝負の分かれ目になります。人材市場も同様で、市場の潮流で必要とされる条件は常に変化しています。例えば、ITコンサルティング市場では、UMLがわかる人材やWebサービスをわかる人材が重宝されたり、戦略コンサルタントでは、M&A戦略が得意な人材が重宝されるといった、市場変化を背景とするスキルリクワイアメント(転職する上で市場から買ってもらえるスキル)は常に変動するわけです。その条件を満たす人材は市場から高値で取引され、逆の場合は底値でも買い手がつかない場合があります。
3. そして、組織をマネジする上で、また、外部の取引先と商売を進めていく上でのコミュニケーションのあり方でも話が盛り上がりました。最近読んだ本で何が面白かったのかという話題になったのですが、僕は 「ホスト王のその気にさせる心理戦術」 「ホストの実戦心理術—なぜブ男でもナンバーワンになれるのか」 「ヤクザの実戦心理術—なぜ彼らの言いなりになってしまうのか」 を挙げました。片や持ち上げて持ち上げて持ち上げまくって相手を動かすコミュニケーション、一方実質的には脅しながら、ぎりぎりの線で相手を動かすコミュニケーションです。アプローチは対極ですが、結果として相手を動かし、取引を成立させトランザクション(サービス・モノとお金の交換)が発生するという点では共通しているわけです。両者とも結果に対するこだわりの点でプロフェッショナルであり、学ぶところが非常に多かったです。このお話をしたところ、結果を出すためのコミュニケーションは、組織をマネジする立場として非常に参考になるという点でお互い納得しました。

 会食は、麻布十番のレインボーロールスシで、柴田さんご推薦の料理数々を食しながら行われました。一段上がったロフトで食事をし、店内を見渡していて思ったのですが、活気のある女性に対して、なんと男性陣の元気のないことか。

 同じ30代前半の仲間たちを見ても同様に思います。社内では責任を負う立場に差し掛かり、プライベートでも家庭を支える立場に就くタイミングです。その中で、学生時代に思い描いていた夢や野望を、遠い彼方の幻想のように感じている仲間が非常に多いです。

 今回の会食は、同じ目線の高さで非常に有意義な時間を過ごせたのと同時に、世の男性陣の不甲斐無さを再認識する時間でもありました。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.03.29 update 戻る

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