コンサルティング業界も、この不況のあおりを受け、各ファームでリストラが進んでいるようです。そんなご時世の中、僕が経営するカイリオスジャパンでは、積極的に人材を採用しています。
コンサルタントの採用に関しては、社長と僕が最終責任を持って判断しています。しかし、時にはお互いの判断が異なりディベートになることもあります。僕と社長のディベートは、時に熱が入ることがあり、秘書がいたたまれなくなり席を外すことがあるくらいです。
しかし、一見喧嘩をしているように思えるその風景(特に外資系企業の経験がない方が見るとそう見えるかもしれません)も、ディベートが終わると雰囲気は一変します。社長と仲良くゴルフに行く話などをしています。
その根底にあるのは、お互いの信頼関係です。時に声を荒げ、立ち上がって話をすることもありますが、その根底には
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自分のメッセージを相手に理解して欲しい、そして、相手は自分と同じ目線で物事を考えてくれる人物である
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相手の意見は尊重しなければならない、なぜなら、相手は自分のことを思い、敢えて苦言を呈してくれるからである
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このようなコミュニケーションを行えるのは、お互い相手を人物として認めているからである
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という相互理解があります。
僕には、僕に苦言を呈してくれる仲間が沢山います。マッキンゼーやBCGの仲間たちと飲みに行くと、前回会ってからの自分の成長を披露し合い(自慢大会)、お互いその成長を褒め称え、そして、お互いの目線の高さを確認します。仮に、目線が低い場合は、その原因を分析し、苦言を呈し(その根底には期待感がある)励ましあいます。
僕らにはお互いの成長を素直に認め合う風土があります。やっかみだとか嫉妬は存在しません。それは、お互いにお互いを尊敬できる存在として認め合っているからです。だから、相手の自慢話を聞いて、そのまま「こいつはやっぱりすげーなー。さすが僕の仲間だ」と素直に思えるわけです。 そして、クライアント企業の役員の方もそうですし、パートナー企業の役員の方もそうですが、しばしば僕を飲みに誘って頂き、話をしてくださいます。時に、説教されることもありますが、僕は真摯に一言も聞き漏らさないように話を伺います。
では、説教されてもなぜ真摯に話を聞くことができるのでしょう。それは、
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肩書きだけは立派でも、実際には社会人4年目のペーペーで、多くの人から学ぶべきことがあり、僕へのアドバイスは僕にとって宝の山である
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肩書きだけは立派なので、コンサルタントに説教をすることがあるが、その時の気持ちは相手に対して頑張って欲しいと心から願っている
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その結果、僕に説教してくれる人が僕のことを真剣に考えてくれているということを十分に理解している |
からです。 自分のことを思い、苦言を呈してくれる存在が、社内、社外でどれだけいるのか、それが今後自分を優秀なビジネスマンにできるかどうかの一つのポイントになると思います。