転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|講演で再認識した「実力」と「仲間の存在」[2]

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
講演で再認識した「実力」と「仲間の存在」[2]
 前回、Net&Comの僕の講演に対する友人の戦略コンサルタントの評価・感想のお話をしました。それは、
1. プレゼンテーションの能力の高さは評価できる
2. しかし、エンターテイメント性、分かりやすさを優先するため、ストーリにデフォルメされる部分が入る。したがって厳密にはロジカルでない場
3. パワーポイントのスライドは下手くそ
といった内容でした。

 僕は、21歳から大手予備校講師、25歳で大学講師、28歳で戦略コンサルタントとこの10年以上、一貫して「人前で説明すること」を商売にしてきました。大手予備校では、人気講座(=締め切り講座)になることがミッションであり、その視点を持ち続け、大学講師、戦略コンサルタントをやってきたことは、それぞれの仕事で高く評価される原因のひとつでした。したがって、プレゼンテーション能力に関しては、評価されてほっとしています。

 しかし、大手予備校講師の頃からそうなのですが、分かりやすさを優先するがゆえ、あえてロジックを捨てる場合があります。僕は大学の専門書のように、ひたすらロジカルに無味乾燥なプレゼンをするのは好きではありません。ロジカルに正しくても、メッセージが相手に伝わらないからです。

 プレゼンテーションは相手にメッセージが伝わって初めて価値があると思います。その意味で、僕は若干ロジックの飛躍があろうとメッセージを相手に伝えることを優先します。ロジカルシンキングは「手段」であり、メッセージを伝えることが「目的」だからです。

 また、どのようにロジカルシンキングを使うかは、TPOで使い分ける必要があります。マスに一方的にメッセージを投げる場合は、僕は分かりやすさを優先します。個別に双方向のコミュニケーションを取れる場合は、相手がメッセージを理解しているかしていないか反応を見ることができるので、基本どおりロジカルに話せばよいと思います。

 最後に、パワーポイントが下手くそなことですが、これは僕がアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループの新人コンサルタントだった頃からの悩みでした。絵心がないというか、口だけ達者で実は表現力がないというか、どうにも上手くスライドに表現できません。大手予備校講師のときも、大学講師のときも板書には自信がありませんでした。

 コンサルティングファームでは、コンサルタントのメインの仕事はパワーポイントを作成することです。マネージャーや、パートナーになるにつれて「しゃべくり」の仕事がメインになります。
 僕は新人コンサルタントの時に、このまま不得手なパワーポイント作成を仕事にしていては一生日の目を見ないと思っていました。だから、得意な「しゃべくり」ができる仕事に移るべくこの4年間を必死に頑張ってきたわけです。  しかしまあ、皆よく見てくれているなぁと思いました。感謝しています。このように
1. 常に自分の実力を市場に投じ、そこで評価を受けることは、自分の実力を客観的に認識する上で非常に重要であり
2. その中で、客観的に自分の力を判断してくれる仲間が多数いることは貴重な財産であること
を再認識しました。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2002.02.22 update 戻る

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