突然決まったことなのですが、来年の正月にとうとうゴルフデビューすることになりました。もともとゴルフなど興味がなかったのですが、仕事の付き合い上、必要になったのです。そこで、12月に入り、急遽銀座のゴルフスクールに通い、週4回の猛特訓コースに入りました。事業立ち上げに忙しい中、少しずつ時間を作り練習をしています。ずぶの素人がたった1ヶ月の練習で果たしてコースに出て大丈夫なのか、それは年明けの連載でご報告します。
スクールの第1回目は、クラブの握り方、姿勢、クラブの引き方、戻し方等でした。7番アイアンを使い、練習を重ねます。最初はただ当てるだけの練習から、次第にフォローするところまでいきます。第2回目では、7番アイアンを使うことが出きるようになったので、5番アイアンを使い練習です。わずか2センチしか変わりませんが随分ボールが離れたように感じます。
このように練習を重ねていって思ったのが、主観と客観の違いです。自分の頭の中で描いているスイングのイメージと実際の僕のスイングは違うわけです。そして、先生の言う「クラブを元に戻すイメージで」という教示に素直に従おうとしているのですが、実際はなかなかうまくいきません。そこで、先生にフォームを直してもらうわけです。
僕の仕事である経営コンサルティングも同じサービスです。特に日本企業のクライアントは、まだまだ終身雇用の中、自分の組織以外の事を知らない方がほとんどです。すなわち、自分の属している組織の経営方針、価値観、理念は十分に理解しているが、その経営方針、価値観、理念が市場の潮流からずれているかどうかは、判断できないのです。したがって、自分の組織の方向性を主観でしか判断できないわけです。
そこで、外部の第三者的な視点で、これらの問題をレビューできる存在が必要となります。それが経営コンサルティングの仕事の一つです。同業他社の経営方針や経営戦略、または、異なる業界のベストプラクティスなどを検討することで、客観的にクライアントの経営方針が正しい方向へ向かっているかどうか判断するわけです。
ただ、ゴルフでもそうですが、スクールに通うだけでは駄目で、自分で時間を見つけては練習をしなければなりません。オフィスでも、地下鉄のホームでも、信号待ちでも僕は少し時間があれば素振りの練習をします(秘書からみっともないので止めなさいと怒られましたが)。
同様に経営コンサルティングを依頼したクライアントも自分自身で、組織を変革する自覚を持たなければなりません。その辺が、日本企業のクライアントの期待値の甘さというか、おかしいところです。経営コンサルティングを依頼すれば、全てが変革されパラダイスが待っているというような、妙な期待感をもたれることがあります。
ゴルフスクールに行ったからといって、すぐにゴルフができるようになるのではないのと同様、経営コンサルティングも使うのは構わないですが、その後の自社への取り込みをどうするかが一番重要なのです。