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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
「自慢しー」と実力主義
 皆さんから頂く質問・感想には、「感動した」「やる気が出た」といったポジティブなものがある一方で、「あなたは自慢家ですね」といった若干ネガティブなものもあります。もちろん、僕のメッセージに関して賛否両論があるのは非常によいことで、市場が僕の考えをどのように評価するのかを知るよい指標です。

 では、僕は自分のことを「自慢家」だと思っているのか。もちろんです。僕は、「自慢しー」(関西弁)です。では、なぜ僕は「自慢しー」なのでしょう。それは、
 (1) 僕は自分自身が商品であり
 (2) 僕は実力主義の社会に生きているからです。

 サービス業、特にコンサルティング業界は人が商品です。自分自身が商品である以上、自分のスペックを明らかにするのは当たり前のことです。今、自宅のリビングにホームシアターをセットしていて、DVDプレーヤーやAVアンプのカタログを見ているのですが、きちんとその製品のスペックが説明されています。これだけの付加機能、付加価値があるからこの製品は高いんだと納得できます。雑誌に出てくるグラビアモデルも同様です。彼女たちは自分の体が商品であり、BWHのサイズもしっかり明記されています。

 コンサルタントも同様です。どの業界で、どのようなコンサルティング経験があり、どのような結果を出したのか、だからこれだけの値段ですと言えるだけのスペックが必要なのです。そういう意味で、この連載はクライアントも見ていますし、ヘッドハンターも興味を持って読んでくれています。だから、この場で僕が「自慢しー」というかアピールさせて頂くのは当然だと考えているわけです。

 次に、僕は実力主義の社会に生きています。次年度の年収は、組織との話し合いによって決まります。プロ野球選手の年俸更改をイメージしていただければ分かりやすいと思います。ただ、僕が日本のプロ野球界であれ、コンサルティング業界であれ、不満に思っていることは、結局組織の提示した額に言いなりになるプレーヤーが非常に多いことです。
 
 僕は実力のなかった1年目こそ、組織の提示した額に言いなりになりましたが、2年目以降、または転職の際に、組織が提示した額に最初から同意したことはありません。自分の年俸は、組織のまたは市場の認識した僕の価値を表す指標のひとつです。自分の価値を判断されている以上、僕は真剣に組織と交渉をします。そのときに必要となるのが、「結果」です。例えば、「自分は今年度、これだけのプロジェクトを受注し、組織にいくら売り上げをもたらし、プロジェクトのPLを管理して、これだけの利益を組織に残した。マーケティングでは、これだけのメディアに出て、これだけの実績を残し、組織のブランディングにこれだけ寄与した」と交渉の場で、明確に示すことが出来なければなりません。それができて初めて、「だから、これだけの報酬が欲しい」と言えるのです。

 現在、日本企業でも評価システムそして、それに伴う報酬システムは、従来の年功序列システムから実力主義の成功報酬型システムへ大きく移行してきています。そのような環境変化において、これまでの「能ある鷹は爪隠す」スタイルではなく、「能ある鷹は爪を磨いてアピールする」スタイルも必要になると考えます。

 ただ、今回のお話も、もちろんTPOは重要です。よく「合コンの席で『僕は副社長でさー、年俸いくらでさー、すげーだろ!』なんてこと言ってるんだろ!」などと言われますが、言うわけないじゃないですか、そんなの。(笑)あくまでも、「自慢しー」なのはビジネス上の話です。プライベートはまったく別次元のお話です。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2001.11.30 update 戻る

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