この連載を始めてから、数多く質問を頂いていますが、その中で多い質問の一つとして僕の勉強方法を知りたいという質問があります。そこで、今回は僕の普段の勉強方法に関するお話です。
僕は、現在様々な勉強会を主催しています。日本最大手商社の若手メンバーを中心とした勉強会、若手戦略コンサルタントを中心とした勉強会、キャリア10年前後の弁護士を中心としたビジネス研究会などです。全て無報酬で行っています。
若手に対する勉強会などでは、直接的にはギブアンドテイクの関係にはなりません。僕のほうからプレゼンテーションのやり方を教えたり、eビジネスの現状を教えたりするわけです。彼らが作ってくるレポートは、ビジネスの世界では二束三文にもならないようなものです。
しかし、間接的にはギブアンドテイクの関係です。そもそも、教えるという行為は自分の頭の中が既に整理されているということが前提となります。そうすると、勉強会を開くたびに、強制的に僕の頭の中を整理させる機会が生まれるわけです。これが日々忙しくしている僕にとっては、非常に貴重です。また、一応先生役で偉そうに喋るので、そこで恥をかかないように背後で一生懸命勉強する機会が生まれるわけです。したがって、教えることが僕の勉強方法です。また、若手も気を使ってか、いろいろ合コンの話などを持ってきてくれたりします。十分価値のあるテイクです。(笑)
冗談はさておき、僕がこのような勉強会を数多く主催しているのは、かつて僕が勉強会に参加する立場であり、勉強会に感謝しているからです。僕がアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)にジョインしたとき、僕の尊敬するコンサルタントである三谷宏治さん(現戦略グループパートナー)が隔週末に戦略コンサルティングに関する勉強会を開いてくださいました。
そして、やる気のあるコンサルタントが集まり、ケーススタディをやったりプレゼンテーションをやったりして修行していったわけです。この勉強会は非常に有意義で、僕は尊敬する(=自分の師匠である)三谷さんから、いろんな技を盗むことができました。
そのような経験をしたこともあって、特に苦労が絶えない若手のコンサルタントやビジネスマンに僕の持っているノウハウを少しでも盗んで欲しいと思い勉強会を主催しているのです。ある意味、三谷さんに対する恩返しの意味合いもあります。
今回、このような連載を持たせて頂いているのも同様です。僕がここでお話することで、皆さんの日々のビジネスに少しでも役に立つことがあれば、僕としては最高の喜びです。
この連載では、外資系企業は厳しい競争社会だということを強調し、それを否定する気持ちも全くありませんが、意外と人間味あふれる世界でもあります。自分のキャリアアップを図る上で、勉強しなければならないことは多々あります。皆さんも、積極的に勉強会に参加なさってはいかがでしょうか。
来週重大な発表があります。