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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
意思決定に重要な「2つのスキル」
 今回は意思決定の重要性と難しさに関するお話です。ビジネスとは意思決定の連続です。僕は副社長というポジションのためオペレーションも担当しています。何にどれだけ投資するのか、事業の拡大をどのように見積もり、それに合わせた採用計画をどのように立てるのか、それぞれのプロジェクトのPLはきちんと管理されているか、など毎日意思決定の連続です。

 意思決定をする上でその根拠となるアセスメントに関して僕は非常に厳しい判断をします。周囲からは結構アグレッシブな意思決定をしているように思われることが多いのですが、実際はそんなことはありません。「石橋を叩いて渡る」型の人間です。例えば、大学受験の時も、合格可能性80%以上という判定でも、全く安心しませんでした。「まだ20%も落ちる確率あるじゃん」と不安になり、さらに合格可能性を高めるべく必死に勉強していました。結果を見るまでは不安で仕方がありませんでした。

 コンサルタントは客観的な判断ができなければなりません。例えば、新規事業の成功可能性をアセスメントする場合、自分の主観などは必要なく、客観的なファクトをベースとし、あくまでも確率論で成功可能性を判断します。この条件ならこの成功可能性、この条件ならこの成功可能性というようにどんどん仮説を立てていきます。このような仕事は、僕のような心配性の小心者にはぴったりです。次から次へと起こり得る条件を考え、新規事業戦略を構築していきます。以前、優秀な戦略コンサルタントには神経質な人が多いとメディアでお話したことがありますが、これは「新しい事業(プロジェクト)を必ず成功に導くため、徹底的に事前準備をする」というミッションを日々課せられているからです。

 一方、徹底的に事前準備をするからといって、意思決定をのんびりすることはできません。意思決定は時間との闘いです。徹底的に頭を使い事前準備をし、そして時機に応じて適切なタイミングで意思決定を繰り返さなければなりません。これは勇気の必要な仕事です。意思決定をする自分に責任が降りかかるからです。戦略コンサルタントは20代の若い時期から、日々このような責任を負わされます。そこで拠り所になるのはファクトと事前準備です。事実とロジックと考えうる限りの事前準備を自信に意思決定を行っていくのです。

 このように、事業(プロジェクト)を必ず成功させるために
(1) 徹底的に客観的なアセスメントをし
(2) その上で、時機に応じた迅速な意思決定をできることは、経営者のみならずコンサルタントに必須のスキルです。

 ただ、これもあくまでもビジネスの上での話です。例えば、女の子とデートするときに、ナビの渋滞情報とにらめっこし、ルートを何種類も検索して「リスク管理はできた!事前準備は完璧だ!」と言ったりしても引かれるだけですし、レストランでメニューから迅速な意思決定をできない女の子を怒ると、せっかくのデートも台無しになります。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2001.10.26 update 戻る

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