今回はちょっと辛口です。いろんな意見を頂くことを承知でお話します。僕は世の中にはできる人間とできない人間がはっきりと存在すると思います。
できる人間とは、「やると言ったこと」「やらなければならないこと」をやる人間です。できない人間とは、それができない、または中途半端でやめる、あきらめる人間です。
僕自身はできない人間からできる人間へ成長しつつあると思います。僕は子供の頃から大風呂敷を広げる人間で、常に自分の実力以上を目指す子供でした。ただ、自分に対するアセスメント(客観的評価)がしっかりできないので、大風呂敷を広げたのはよいのですが実現できません。半分嘘つきでした。高校時代もポパイやホットドッグ、メンズノンノを精読し女の子を口説くことばかり考えて遊んでいましたが、その一方で必ず東大か京大へ入ると宣言し、それを実現するために相当苦労しました。その原因は、ひとえに自分が可愛く、自分に甘い評価をし、その結果、「俺が本気になれば、まあなんとかなるだろ」という甘いアセスメントをし目標を実現する準備が何もできていなかったからです。この「本気になれば」というのが一番の曲者で、まず本気になることなどありません。僕は、「しょせん口だけ野郎」とか「敗者」「落伍者」などという評価を受けるようになりようやく頑張るようになりました。
京大に入学し一番驚いたことは、周りにいる仲間が「やると言ったこと」を必ずやりとげる人間ばかりだったことです。例えば、合コンで女の子と仲良くなり夜中にバイバイしても、必ずその後テキストとノートを広げ翌日の試験に合格するような連中ばっかりだったのです。僕だったら、「来年単位を取ったらいいや」と思い寝てしまうところです。僕も周りに啓発され、「結果」「成功」に対するこだわりを持つようになりました。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)の戦略グループに入ってからも、「結果」「成功」に対するこだわりに驚かされました。戦略コンサルティングと言うのは究極のサービス商売だと考えています。ITコンサルティングのようにシステムを導入しうまく稼動すれば終わりというものではありません。考えれば考えるだけ様々なプランが出てきます。そうすると、クライアントに対して、「結果」を出し「成功」に導くためには、クライアントに対する最終報告の数分前まで知恵を絞り、考え抜くことが必要になります。戦略コンサルティングが厳しいと言われる所以でもあります。とにかくクライアントのために自分の持てる才能、エネルギー、体力全てを注ぎ込み最後の最後までアウトプットにこだわります。僕も戦略コンサルティングを始めた頃は、最終報告の前は必ず徹夜で、目を真っ赤にし、気を失いそうになりながらプレゼンをしたものでした。
もちろん徹夜をすることに価値があるとは思っていません。最高の結果を出せるようチームの仕事の負荷をマネジするのがプロジェクトマネージャーの大きな役割だからです。部下に徹夜をさせる上司は才能のないクズだと僕は判断します。
以上から、できる人間とは
(1) 客観的に自分をアセスメントし、目標をアセスメントし的確なプランニングをできる人間です。そして、
(2) 建てられた的確なプランを確実に実行し、絶対に絶対に途中で投げ出さない人間です。
以前キャリアマガジンで「優秀なコンサルタントであればあるほど神経質である」と書いたことがありますが、それは常に目標と自分の乖離に気を使うからです。有限な時間を有効に使い、最短距離で最大の効果を得ようと常にアセスメントするからです。しかし、そういう訓練を積み重ねることで「やると言ったこと」をやれるようになる確度は飛躍的に向上するはずです。