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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
キャリアアップのための実践勉強法[2]
 今回は、前回の続きで、コンサルタントのコミュニケーションに関する勉強の話です。

(2)ファクトベースのロジカルシンキング

 これもまた、コンサルタントなりたてのころ徹底的に、本当に徹底的に鍛えられたことでした。
 そもそも僕のような若造コンサルタントの話を、業界最大手の日本の大企業の取締役の方たちが何故真剣に取り合って聞いてくださるのでしょう。
 それは、あくまでもファクトベースでロジカルに議論をすることで付加価値をつけているからです。僕らコンサルタントは、それぞれのインダストリーにある程度の業界知識をもっています。しかし、現場数十年のクライアントの方に、僕らの知識がかなうわけありません。すなわち、業界に特化した知識で付加価値をつけることはできないのです。しかし、ポリティクスを越えて現場の声をダイレクトにトップへ伝えたり、他業界またはUSのベストプラクティスとの比較分析、財務関連の数字の徹底的な洗い出しなどあくまでもファクトを基にコンサルティングをすることで、クライアントが今まで気付かなかった問題点、改善の方向性を提示できるのです。

 ファクトベースを意識できないビジネスマンは失格です。憶測でモノを言われても判断しようがないからです。僕は、コンサルティングの依頼を受けると、事前調査の段階でそのクライアントを担当する若手のコンサルタントにいろいろ質問してみます。


「○○製品の売上はどのくらい? 競合と比較して、何が強みで何が弱み? 将来の市場におけるポジショニングをどう考える?」

 売上くらいはまともに答えてくるのですが、強み弱みあたりから怪しくなります。

部下
「強みはブランドでしょうか?弱みは、うーん・・・」
「なんでブランドなの? 競合他社の何と比較したの? じゃあ、例えば競合製品の○○と比較して消費者の認知度はどれだけ違うの? イメージ調査をした統計があるけど、それは比較したの? なんで? どういうロジックなの?」
部下 「・・・・・」

といったやりとりが起きてしまいます。
 
 大切なのは、あくまでもファクトをベースとした議論です。僕みたいな若造がプレゼンテーションしても、ファクトを基に議論をするからクライアントは安心して話を聞いてくれるのです。そして、ここでもう一つ重要なのが、ロジカルに議論をすることです。せっかくファクトを集めてもその後のロジックがいいかげんだと、明後日の方向に戦略を立ててしまうことになります。  ロジカルシンキングに関しては、『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント)がお薦めです。僕もコンサルタント1年生のときにこれで鍛えられました。

次回は、優秀な経営コンサルタントは優秀な経営者になれるのかというお話をしていきます。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2001.9.7 update 戻る 

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