転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|キャリアアップのための実践勉強法[1]

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
プロとして身に付けるべきスキル[1]
 今回は、キャリアアップを見据えた勉強の仕方です。キャリアアップを目指すためには、何を身に付けなければならないのでしょう。例えばコンサルタントの勉強の側面で言うと、
(1) 様々な業界知識・コンサルティング方法論を身に付け
(2) あくまでもファクトベースでロジカルに話すことができるようにすることです。

 もちろん、このような机の上でする勉強以外にも、実地で学ぶクライアント・マネジメント、プロジェクト・マネジメントなど様々あります。しかし、今回は前者の机の上でする勉強にフォーカスしてお話します。

(1)様々な業界知識、コンサルティング方法論

 コンサルタントになりたての時、一番苦労したのがこれです。まず、バックグラウンドになる経営戦略論に関しては、アンダーセンコンサルティングの戦略グループに採用が決まった時点で、『競争の戦略』(ポーター)、『マーケティング・マネジメント』(コトラー) などをオフィスから提供され、徹底的に鍛えられえました。この手の本を選ぶ際には、「MBA100人が選んだベスト経営書」に登場する本であればほとんどはずれがないと思います。我々、戦略コンサルタントが1年生のときに読んだ本が多々登場しています。

 そして、業界知識に関しては、僕が eBusinessのコンサルティングを中心としていたことから、『日経ビジネス』 『日経ネットビジネス』 『日経情報ストラテジー』を購読し、さらに毎日、日経新聞と日経産業新聞を読むようにしていました。ただ実際には、クロスインダストリー(これまで経験した業界は、製薬、通信、商社、エンターテイメント、電機、自動車、SI、ベンチャーなど)で、かつCRM、SCMのみならず、ERPなどクロスファンクショナルなコンサルティングもしていたので、業界雑誌はほとんど網羅せざるを得ませんでした。クライアントを複数抱え、忙しい業務の中、これらの勉強をしようと思うと大変です。朝起きたら、まず新聞をどんどん読み、オフィスに着いたら日経を中心としたメールマガジンをチェックします。基本的に移動はタクシーにし、勉強の時間かミーティングの時間に当てます。昼は、ランチミーティング以外は勉強をしていました。夜、仕事が終わってからは、仲間と飲みに行くとき以外は、まっすぐ家に帰り寝るまでずっと勉強していました。風呂の中でも両手をバスタブの中から出して、日経ビジネスを読んでいました。そしてベッドの傍にも雑誌を山のように積み、意識がなくなるまで読みつづけました。週末は、よく海に行くのですがビーチのお供も、日経ビジネスや、情報ストラテジーでした。

 これらビジネス雑誌は、最初は何が書いてあるのかちんぷんかんぷんなのですが、一気に集中してどんどん読み進めることで、ある瞬間それまでばらばらだったことがふっと繋がるようになります。そうすると、あらゆる記事が因果関係を持ったものになり、頭の中で様々なストーリーができるようになります。そして、自分の作ったストーリー展開と現実を見比べながら記事を読めるようになるのです。こうなると、勉強の負荷は大幅に小さくなり、勉強が楽しくなります。

 問題はそこまで我慢して読み続けられるかです。周囲を見ていても、このレベルにたどり着くまでにあきらめてしまう人が非常に多いのです。したがって、自分で新聞雑誌を見てストーリーを作れる段階になれば、まず一つ希少性を身に付けることになります。

 おっと、紙面が尽きてきました。(2)ファクトベースのロジカルシンキングに関しては、次回お話します。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2001.8.31 update 戻る

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