今回は、僕の仕事観についてお話をしていきましょう。
皆さんは、「自分がやったことのある仕事」と「初めての全く知らない仕事」のどちらかをやれと言われたらどちらを選びますか?
今の僕は、ほぼ間違いなく後者を選びます。もちろん初めての全く知らない仕事をやるのは大変です。失敗する可能性も高いです。減点評価の組織にいるのなら、そんなリスクはとりたくないと思うかもしれません。
しかし、成功すれば、自分のスキルの幅は広がります。失敗しそうになっても、それを覆して成功へ持っていくやり方を学べます。仮に失敗したとしても、そこから学ぶことはたくさんあります。加点評価の組織にいるなら、成功すれば一気に評価は上がります
(外資系の企業は一般論で言えば、両方の性格を持っていると思います。成功すれば一気に評価は上がり、失敗すればいずれ机と席はなくなります)。
その辺のリスクの取り方は人それぞれだと思いますが、僕自身は、31歳でまだまだ成長途上にあり、客観的に「実は社会人4年目のぺーぺーだ」という自己認識がありますから、断然リスクテイクする方を選びます。
そもそも人材市場で評価される人材とは、「希少性」のある人材です。僕自身は、当初CRMを中心とするコンサルティングを経験し、その後、eビジネスのコンサルティングを多く手がけました。2000年前半で、しっかりとeビジネスのコンサルティングをできるコンサルタントは、まだ日本では少数でした。しかも、年齢が若いコンサルタントのほうがむしろeビジネスの世界では優秀な成果を収めていました。その希少性が、僕がサイエントにヘッドハンティングされた要因の一つでした。
さらに、サイエントで外資系法人事業の立上げを経験し、苦境も経験しました。この経験も希少価値です。プロフェッショナルとは、自分の価値をどんどん希少価値にすることです。代わりのきかない存在になることで、社会人経験3年でもコンサルティング会社の副社長というポジションを手に入れることができたと考えています。
このように、キャリアプランを考える上で、組織のブランドに頼らず、自分のブランドをしっかり形成するためには、自分のスキルを「希少」なものにしなければなりません。そのために、自分の仕事の幅をどんどん広げ、他の人にはないスキルセットを身に付けなければなりません。「初めての知らない仕事」をどんどん経験し、自分のスキルセットを広げるべきだと僕は考えます。「初めての知らない仕事」は「知らないことを吸収できる」絶好のチャンスだからです。
次回は、キャリアアップを見据えた勉強の仕方についてお話します。