転職お役立ち情報|牧田幸裕のビジネスマンFA宣言|プロとして身に付けるべきスキル[2]

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牧田幸裕のビジネスマンFA宣言

新世紀、転職も自分が企業を指名する“フリーエージェント”の時代に突入した。若くしてコンサルティング会社の副社長に就いた著者が、自身の経験をもとにキャリアの切り開き方、【自分ブランド】の極め方を熱く伝授する。  
プロとして身に付けるべき「必須スキル」 [2]
 今回は、「定量表現」と「定性表現」についてのお話です。僕は、「定量表現」を常に意識せずできるようになることが、優秀なビジネスマンになる第一歩だと考えています。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でも、戦略グループだけは、この「定量表現」を徹底的に新人コンサルタントに対して叩き込みます。戦略グループのコンサルタントが、アンダーセンコンサルティングの他グループのコンサルタントと比べて3倍早く成長すると言われる所以はここにもあると思います。マッキンゼーやBCGの仲間達も当然、意識せず定量表現ができるようになっています。

 では、「定量表現」って何でしょう? 以下は、僕が戦略コンサルタントになりたてほやほやだった頃のお話です。 
 ある日、クライアント企業の経営分析をしていると、近くを通りかかったマネージャーに言われました。
マネージャー 「その仕事、あとどのくらいでできる?」
「もうすぐです」
マネージャー 「定量的に言え!!」
「(心の中で)えっ?定量的?何それ??」  


また、プロジェクトを仕切るようになってからもパートナーに怒られました。
パートナー 「このプロジェクト大丈夫?」
「まあまあ大丈夫です」
パートナー 「どこが駄目で、どこが大丈夫なのかはっきりさせて、駄目なところは何が原因なのかポイントを3つに分解して、今すぐ答えろ!!」


 もちろん、今の僕ならこう答えます。最初の質問には 「あと15分で契約部分を除くプレゼンテーションが完成します」。
 次の質問には「工数管理は予定通りです。しかし、競合分析で情報が足りません。そこで、このリサーチ会社を利用し、更にUSの○○社の事例をナレッジマネジメントシステムから採取し、日本独自の規制の部分を割り引けば完成します。この作業に16時間ほどかかります」。

 今、僕自身組織をマネジし、プロジェクトをマネジする立場にあるので痛感していることですが、マネジメントする立場の人間は、常に現場から正確な進捗報告を受け、組織全体が進む方向とその報告をすり合わせ事業戦略を打ち立てなければなりません。現場からの報告が曖昧だったり、いいかげんだったりすると、組織の進む方向をきちんと決定することができないのです。したがって、現場から受ける報告は曖昧な感覚に基づく「定性表現」であってはならず、数字に裏打ちされた「定量表現」でなければならないのです。これはマネジメントされる側が、マネジメントする側の立場を考え、表現方法を変えなければならないということです。相手のことをまず第一に考え、付加価値をつけようと思えば、自然と定量表現を使った会話になるはずです。

 しかし、こういう会話もTPOにあわせてすべきで、例えば女の子と待ち合わせする時、「後何分で着くの?」「何で遅刻するんだ? その原因を分析して、3つにまとめ今すぐ言え」なんて言うと確実に嫌われます。(笑)

 次回は、僕の仕事観についてお話します。
ymakita@kairios.co.jp
牧田 幸裕(まきたゆきひろ)
1970年 京都生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学大学院経済学研究科修了。大学講師を経て、1998年7月アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社。2000年8月、サイエント株式会社マーケティング・ディレクターに就任。日本人最年少のディレクターとして、日本法人立上げに携わる。2001年5月より、ICGコンサルティング副社長。2001年10月、ICGコンサルティングの事業と組織を継承し独立、カイリオスジャパン株式会社取締役副社長に就任。共同創業者。戦略グループ最高責任者。
2001.08.17 update 戻る 

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