僕が社会人になったのは、今から3年前の1998年7月1日です。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループに入社したわけですが、実はその他にも外資系の戦略コンサルティングファームなどから数多くオファーを頂いていました。
では、なぜ多くのオファーの中からアンダーセンコンサルティングを選んだのでしょう。まず、僕の最終的なゴールはコンサルティング会社の経営者になること、または、事業会社の経営者になることであり、その観点からは、経営戦略以外にも、業務プロセス、システム、人事組織など、様々な企業活動を理解する必要があったことです。
次に、戦略コンサルティングファームは、金太郎飴的な同質のクウォリティの高い人材が集まっていたわけですが、アンダーセンコンサルティングは、大量採用のため標準偏差が大きく、様々な人材がいたことです。戦略系を凌ぐ優秀な人材もいれば、なんでこんな奴が採用されたのかという人材もいる。しかし、それは僕の偏見なのかもしれない。もしかしたら、僕の気付かない、彼なりの優秀なポイントがあるのかもしれない。そのような驚きを発見できそうな人材が集まっていたのが、アンダーセンコンサルティングでした。
最後に、1997年度のトップ内定で、内定式から代表挨拶をさせてもらうなど、これからのキャリアブランディングを行っていく上で、与しやすそうだったという計算がはたらいたことです。
実際、入社直後から、新人コンサルタント代表として、「会社の歩き方」に登場し、トップ・コンサルタントになってからも様々なメディアに登場する機会を頂きました。そういう意味では、アンダーセンコンサルティングを僕のキャリアディベロップメントの第一歩に選んだのは正解でした。
僕は、外資系コンサルティング会社のコンサルタントは、職人だと思っています。または、ホスト・ホステスだと思っています。商売道具は自分の脳味噌と腕とプレゼンテーション能力です。「包丁一本さらしに巻いて」の世界です。僕は、たまたま青山にある“AC”という有名クラブで、ホストをやっているに過ぎないと考えていました。お客さんからどれだけ指名があって、どれだけクラブに金を落とさせ貢献できるかが価値です。人気ホストであれば、虎の門にあるICGというクラブでもナンバー1ホストとして活躍できるでしょう。
若干下世話な例を出しましたが、ここで言いたいことは、僕のこれまでの問題意識は、どこの組織に属するかということがそれほど重要ではないということです。自分の価値(ブランド)をどのように形成し、市場に投げかけるかというのが問題意識なのです。自分のブランドで仕事ができるようになると、仕事が本当に楽しくなります。クライアントが自分以外に仕事を頼まないからです。他に僕の仕事を代替できる人がいないからです。僕は自分を指名してくれたクライアントのためには、寝食忘れて仕事をし、付加価値をつけクライアントに喜んでもらうことを考えます。それがプロフェッショナル(職人)としての誇りだと考えています。
では、プロフェッショナル(職人)となってFA宣言するためには、どのようなスキルを身に付けていかなければならないのでしょうか。次回から、しばらくその辺のお話をしていきましょう。