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人材バンクの歩き方
第7回 このコンサルタントが私を変えた 40社に応募して内定ゼロ…からの脱出記
「年齢相応の経験、スキルがない」と転職活動で苦戦を強いられたある転職者の実録人材バンク体験記。鋭い突っ込みのコンサルタントとの出会いが、成功のカギに
 
実録レポート 35歳、リーダー経験なし。ハンディだらけの転職活動で鋭い突っ込みのコンサルタントに出会うまで
 
  12年間、大手企業のシステム開発子会社で官公庁のシステム開発、セキュリティ管理、サポート業務などをやってきて、ふと気付くと35歳になっていた。「この年齢でリーダー経験もなく、現場のいちエンジニアで本当に大丈夫なのだろうか」との危機感から、「とにかくマネジメントのできる職場に移りたい」と初めての転職活動に踏み切ったのだが。現実はかなり厳しく、50社もの会社に応募することに。げっそりと痩せて上司から「体の具合が悪いんじゃないか」と心配をされてしまうほどの転職活動となったのだった。  
川口 剛さん(仮名・35歳)
子どもも生まれたばかりでの人生を賭けた初めての転職活動だった
 
 
 
「とにかく求人を紹介してほしい」と40社以上応募するが……
初めての転職活動。まずは、人材バンク4社に登録。時間をつくるのに苦労しつつも面談へ。これまでの経験や今後のキャリアプランなどについてコンサルタントと話をした。こちらからもどんどん質問し、転職市場の動向などを教えてもらい「もしかしたら、余裕かも」なんて思ったのだが。合計8社の企業を紹介され、さっそく応募。しかし……すべて書類選考で落とされる結果に。やはりマネジャー経験がない、年齢相応の経験を積んでいないことが、ハンディになっているのだろうか。

「本当に転職できるのか!!!」と焦りが出てきて、さらに人材バンクに登録。合計9社の人材バンクに「とにかくできるだけ多くの企業を紹介して欲しい」と依頼し、新たに企業30社以上に応募したのだが……。面接に行けたのは4社のみ。しかもこれまたすべて落とされてしまった。

転職活動2カ月で体重が10キロも減ってしまうほど、精神的に追い詰められてしまった。そこで、いったん新しい求人への応募を中断し、これまでの転職活動を振り返り、職務経歴の棚卸しをした。すると「何のために転職活動を始めたのか」という目的を見失い、内定することばかりに気が取られていたことに気付いた。「そうだ、マネジメントの経験を積むために転職しようと決めたんだ」と初心を思い出し、憑き物が落ちた気がした。

振り返りポイント
  落とされた焦りから「とにかく求人を紹介して欲しい」とやみくもに応募した結果、自信を喪失してしまったが、「自分に合う、合わない」を考えずに数うちゃ当たると応募したって、不採用になるだけなのだ。転職活動で焦る気持ちが出てきたときは「何のために転職を決意したのか」を思い出せば、また体勢を立て直せるはずだ。  
鋭い突っ込みのコンサルタントに出会い 経験やスキルを丸裸にされた
2週間ほどの転職活動休止期を終え、新たなコンサルタントと面談。この人との出会いは本当に大きな意味があった。私の職務経歴を話していると「そこのところ、どのくらいの規模でどんな立場で携わっていたんですか?」といろんな角度からの鋭い質問をしてくる。キャリアシートや職務経歴書は、少しでも自分をよく見せようと書くものだが、相手もそんなことは先刻承知。ありのままのスキル、経験を知るための突っ込むポイントをたくさん持っているようだった。

2、3時間も質問攻めにあっただろうか。「あなたの経験だと厳しいですね」といったうえで、私に合った提案をしてくれた。「いきなりこんな方向に進むのは難しいから、この部分の経験を生かしてこんな方向で考えてみたらどうでしょう」。私のスキル、経験を丸裸にしたうえで、どうすれば希望するマネジメントの経験を積むための転職ができるのかを率直に話してくれたのだった。

振り返りポイント
  実務経験やスキルに不安があった私に必要だったのは、鋭い突っ込みのコンサルタントだったのだ。このタイプのコンサルタントは、現れた瞬間の真剣さが違っていた。「まずはあなたの話を聞きたい」といろんな角度からじっくり時間をかけて質問をしてくる。一方で、話を始めて15〜20分ほどですぐ求人紹介をしてくるコンサルタントもいたが、私の場合は紹介される求人がミスマッチなことが多かったし、書類選考落ちが何度か続くと紹介が途絶えてしまった。  
職務経歴書にダメ出しが 徹底的に書き直す
このコンサルタントから、企業4社を紹介された。「この職務経歴書じゃ、ダメです」とダメ出しされ、書き直す。「ええ〜っ、まだダメなの」と思うくらいの厳しさだった。面接の日程調整も、こちらが仕事のスケジュールを優先させようとすると「この日に絶対に時間を取ってくれ。転職活動には、自分の一生が掛かっているんだから真剣にやってくれないと困りますよ」と叱られたことも。面接前には、「面接官はどんなタイプの人で、きっとこういう点を厳しく質問されると思う。整理しておいてください」などのアドバイスをもらった。

このコンサルタントが紹介してくれた企業は、書類選考で落とされることはなく、最終面接まで進んだ。面接で話をするなかで、興味を惹かれることも多かった。つまり、私の希望と企業のニーズがマッチする求人だったわけだ。

振り返りポイント
  自分に合う求人かどうかを自分だけの力で見抜くことができない転職初心者の私には、鋭い質問を通じて、能力や希望を的確に把握してくれるコンサルタントが合っていた。その結果、マッチする求人に応募することができ、時間や労力、精神的ロスが少なくなった。  
転職活動スタートから半年 ついに3社から内定
とうとう内定が! しかもほぼ同じ時期に3社から。前半の転職活動は、自分の経験、スキルが足りないことばかりに目が向いてしまっていたが、足りないのなら、それを補うだけの何かをアピールすることが必要だったのだ

私の職務経歴の中から、いろんな要素を引っ張り出し、どうすれば希望に合った仕事に転職できるかを考えてくれるコンサルタントに出会えたことは、本当に大きかった。求職者とコンサルタントの関係は、こちらが真剣なら、向こうも真剣になってくれるものだと思う。なぜ、どれだけの思いで転職をしたいのかを伝え、それに応えてくれるコンサルタントをぜひ探してみてほしい。

振り返りポイント
  時間の許す限りいろんなコンサルタントと会ったことが、いい結果を導いたのだと思う。たくさん会う中で、こちらのコンサルタントを見る目も養われる。スカウトメールの文面だけではお互いにどんな人物かわからないと考える私には、スカウトメールに求人が貼付されていても「私のことわかったうえで紹介してくれているのだろうか」と思えてしまう。自分の価値も、会って話した方が伝わるものだ。仕事をしながらの転職活動は、体力的にしんどかったけれど、やるだけのことはやったぞと思えるものだった。  
 
 
自分を生かす転職 3つの新常識
1.やみくも応募は、自信喪失の原因に
  不採用が続くと「とにかく内定が欲しい」との気持ちから、やみくも応募を続けてしまうことも。「合わない会社に応募→不採用→自信喪失」と自信喪失スパイラルに巻き込まれているなと思ったら、いったん転職活動を休止し、初心に戻って転職の目的を思い出すことが大切だ。
   
2.時間の許す限りいろんなコンサルタント会ってみよう 本気です!やり抜きます!
  スカウトメールに書かれた内容だけで、「合うコンサルタントかどうか」を判断するのは、相当難易度が高い。川口さんは時間の許す限りコンサルタントに会うことで、強力な助っ人を得ることができた。いろんな情報を仕入れる意味でも人材バンク初心者は、いろんなコンサルタントに会ってみよう。
 
3.転職に対する真剣さをアピールしよう
  一生懸命な人には、力を入れて支援したくなるのが人情だ。「こんな理由から、どうしても転職したい」との強い思いがあれば、必ず応えてくれるコンサルタントは見つかるはず。面談では、その思いを率直に伝えよう。
 
   

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